ネチズン・カレッジ日誌にようこそ!

ある政治学者のホームページ奮戦記――わが家のできるまで、できてから(2024年1月ー12月

 ここには、<What's New>で定期的にトップに現れた、本ホームページの作成過程、試行版への反響、更新の苦労話、メールへのご返事、ちょっといい話、外国旅行記・滞在記、研究室からカレッジへの改装の記録が、日誌風につづられます。趣味的なリンクガイドも兼ねます。ま、くつろぎのエッセイ集であり、対話のページであり、独白録です。日付けは下の方が古いので、逆読みしてください。

古い記録は、「図書館特別室3 ネチズン・カレッジ生成記録」として、以下のようになっています。お好きなところへどうぞ。

トランプ2.0下の「落日の日本」で、独裁・専政に抗する個性的でしなやかな組織とは?

 
2025.2.1 新年の挨拶は映画「キノライカ」のススメで始めましたが、幸い反響は大きく、10人ほどの方から、近くの映画館に足を運んだ、小津映画のようで良かったと言った感想が寄せられました。自分と家族の住む地域・職場・生活圏の足元を見つめ直し、多様な他者の存在を認め合い、小さな対面のコミュニケーション・コミュニティを再生していこうというメッセージです。それは、後半で述べたように、1月にドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任して予測の難しい世界的変動が起こりうること、それを受け止める日本という国は、いまや経済的にも政治的・外交的にも衰退期に入って、内向きの閉鎖的特異社会になる可能性が高いことを予期しての、ささやかな抵抗でした。
● 案の定、トランプ2.0政権の出発は、世界を揺るがしています。ウクライナの戦争を24時間で止めるという誇大な公約は100日まで延長されましたが、イスラエルのガザ・ジェノサイドは「人質解放合意」で一時的停戦に入っても収まらず、トランプはガザのパレスチナ人をエジプト・ヨルダンなど近隣国の難民にしてイスラエルのユダヤ人入植地にするという、ネタニヤフの作戦に乗っています。CNNニュースによれば、「民族浄化作戦」で、アウシュヴィッツ解放80周年に合わせて、ナチスの被害者であったユダヤ人が、今度は加害者になってパレスチナ人を抹殺する試みです。
● イスラエルのガザ攻撃・入植を支持してきたカナダ政府は、しかし、トランプのカナダを51番目の州にするという脅しと25%関税の取引に遭って、トルドー内閣は崩壊しました。もう一つの隣国メキシコにも、移民排斥・強制帰国と関税取引で、すでにGoogle Mapでメキシコ湾をアメリカ湾にするという、バーチャルですが一方的な領土拡張です。冷戦終焉で1994年に発足した北米自由貿易協定(NAFTA)は、第一次トランプ政権時に米墨加協定(USAMCA)に改変されていましたが、30年足らずで最終的崩壊です。「自国第一主義」のトランプは、地球温暖化のパリ協定からも、世界の医療をつないできたWHO(世界保険機関)からも脱退しましたから、自由貿易秩序の要である世界貿易機関(WTO)からも、21世紀から加わった中国の影響力増大を理由に、撤退するかもしれません。国連を中心としたグローバル国際秩序全体のゆらぎで、第一次世界大戦後のヴェルサイユ=ワシントン体制、国際連盟型協調主義から、世界恐慌・ブロック経済を経てファシズム化・第二次世界大戦の歩みに似てくることになります。しかも保護主義といいながら、ケインズ主義やニューディールとは真逆の新自由主義で裏付けられていますから、地球全体が弱肉強食、格差拡大の競争社会へ向かいます。
● 近くにペンタゴン(国防省)やラングレー(CIA本部)もあるワシントンDCのレーガンナショナル空港近くで、64人の乗った旅客機と国防軍ヘリコプターの衝突事故です。私もコロナ前は米国調査でたびたび使い、ポトマック川対岸のホテルを定宿にしていました。航空網はどんどん広がったのに、連邦航空局(FAA)によれば、全米で空港管制官が3000人も不足しているもとで、人的過失事故の疑いがあります。トランプはこの悲惨な事故さえも政治的に利用し、旧民主党政権の「多様性重視」が航空管制官の能力低下を招いたと強弁しています。横田基地と羽田の空域が重なる東京、政権空白中に大きな航空機事故が続く韓国にとっても、他人事ではありません。トランプ2.0には、電気自動車テスラ、旧ツイッター=X等を操るイーロン・マスク政府効率化省(DOGE)が組み込まれていて、連邦予算・人員の削減が融資・補助金凍結から始まっています。巨大ITプラットフォーマー企業GAFAM(Google, Apple, 旧Facebook Meta, Amazon, Microsoftビッグテック)を従わせて、AI技術開発・採用による労働力削減、情報世界のファクトチェックなき無秩序化・コンテンツ画一化も見通されています。
● そんななかで、戦後80年男子普通選挙法・治安維持法100年の日本は、米国製装備を輸入し米軍基地存続費用を負担する国防予算巨大化で、何とかアメリカの歓心をひこうとしていますが、トランプのNATO同盟国への対GDP国防費5%要求の前では、まだ世界平均の2%にも満たない日本のインパクトはありません。日経新聞1月24日がいみじくも喝破したように、「トランプ大統領が見る日本 『標的』から「遠い友達」に」――つまり、かつての半導体・自動車競争でライバルだった「ジャパメリカ・バブル」は、WTO以前のGATT時代の昔話で、21世紀には中国がWTOに加わり台頭して、「落日の日本」との日米同盟は「52番目の州」とさえ見なされないネグリジブルな存在へと、フェイドアウトしつつあるのです。
● そんなこの国を、年頭に揺るがしているのは、少数与党になった自公政権のピント外れの石破首相「楽しい日本」めぐる国会論議、トランプ政権の後ろ盾があると故安倍晋三崇拝の民族派が信じる「選択的夫婦別姓」や国連も巻き込んだ「女性・女系天皇」ではなく、一芸能人の女性への人権侵害から発し、民間テレビ企業の存続の危機を孕んだ、メディアの在り方です。昨年の東京都知事選、衆議院選挙、兵庫県知事選等でも既存の新聞・テレビメディアとSNS、週刊誌・独立メディアの関係が問われたのですが、それが、民間企業のコマーシャル経営や「企業風土」まで及んだかたちです。日本の財界で、こうした企業経営の危機のさいのバイブルになっていたのは、先日亡くなった故野中郁次郎教授らが戦争中の日本軍のノモンハン、ミッドウェイ、インパール敗戦などから引き出した「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」だったはずですが、フジテレビはこれを学べず、40年以上もフジサンケイグループのトップとして日枝久取締役・相談役が君臨する「企業風土」を温存してきたようです。
● 同じように政財界とつながる独裁的メディア経営者であった読売新聞の渡辺恒雄主筆が没したさい、彼が戦後すぐの時期の日本共産党活動で学んだ権力支配の手法をメディア経営に持ち込んだ、といわれました。ナベツネより一回り若い日枝久も、メディア産業では最も弱体であったフジテレビ労働組合の書記長として60年代に「女性社員25歳定年制撤廃」の闘争手腕を発揮し、それが経営陣に見込まれて、出世コースに乗ったと言われます。もともとフジサンケイグループは、戦前日本共産党で「労働者派=解党派」の幹部だった水野茂夫の国策パルプ・産経新聞再建によって1950年代に興され、米軍占領下で読売争議・東宝争議など労働運動の力を潰して日経連専務理事になった鹿内信隆が引き継いだ、冷戦反共右派のメデイア拠点です。産経グループの論説でならした俵孝太郎もつい最近なくなり、ペーパーの「夕刊フジ」も廃刊ですが、彼も共産党体験をくぐった評論家でした。そういえば、昨夏亡くなった歴史学の伊藤隆も、水野成夫を『風の生涯』として重厚に描いた文人経営者・故堤清二=辻井喬も、1950年代の熾烈な労使対立・左翼運動体験を、企業経営や学術文化の世界で活かした日本的事例でした。
● 日枝が鹿内家を経営から追い出した1992年の「クーデタ」にも、文春は深く関与していたようです。水野茂夫―鹿内信隆―日枝久の歴史的流れは、天下り総務省官僚お台場土地開発・不動産資本吉本興業ジャニーズ事務所などとつるんだ日枝の「楽しくなければテレビでない」というフジテレビの「企業風土」と「失敗の本質」を見る際に、留意すべき重要な背景です。まさか石破首相の「楽しい日本」は、日枝の黄金期を真似たわけではないでしょうが、現実の「落日の日本」では、どちらも時代錯誤です。事前に少数の被害者による告発やメディア報道があったとはいえ、ジャニーズ事務所も今回のフジテレビも、結局は、海外メディア海外投資ファンドによる問題提起によって、社会化しました。日本のマスメディアには、「記者クラブ」体質に象徴的な、政権・官界・財界との距離の取り方があり、社会的弱者・女性・外国人労働者230万人、低賃金と物価値上げに苦しむ庶民の目線からの事実報道が、大きく欠けていたのです。日本軍の「失敗の本質」を作り上げた「内なる天皇制」「大本営依存」の歴史的遺産は、根深いものがあります。
● この問題での「キノライカ」風の小さな希望は、フジテレビ労働組合の活性化です。新聞労連・出版労連・民放労連・NHK労組など相対的に左派の強いマスコミ文化情報労組の中で、高給取りの多い1100人の会社フジテレビで、事件発覚以来急速に、労働組合加盟が進みました。技術者中心の80人から一挙に500人以上の組合ができて、ストライキを語るようになりました。「労組に入ると出世できない」から「日枝専制体制を刷新し、人権を守るには組合が必要」と、ジャーナリズムにめざめた生活感ある労働者が、激増したのです。折から朝日新聞出版から、藤崎麻里記者の『なぜ、いま労働組合なのか』が出版されました。20世紀に正統的だった階級的産別労組・戦闘的ユニオニズムとは違って、アメリカのサンダース支持者やGoogle労組、北欧の経験からも学び、職場のハラスメントと闘い、NPO・NGOとつながりフリーランスや外国人を包み込んだ、「労使協調型」から「参加型」の組合をみつめます。階級闘争・政治闘争というよりも、職場での多様な個人の共通利害・関心を基盤に「働く場所を整える」21世紀型の労働組合を紹介して新鮮です。マルクス主義の階級闘争論で労働組合を学んできた人には不満でしょうが、労働者の概念・イメージも労働組合も、21世紀型ヴァージンアップが求められているのです。
● 逆に労働者階級の解放を目指した「前衛」組織日本共産党の内部での人権侵害ハラスメント専従労働者の悲惨な労働実態が明るみに出て、同党の衰退に拍車をかけています。「自発的結社」ゆえに言論・表現の自由は制限され労働法は適用されないと抗弁してきた、陰謀秘密結社出自の権力奪取型社会主義政党が、就業規則提出や健康管理義務を国家にただされて、窮地においこまれています。党指導部は、高齢化に加え「革命政党」への執着から、もともとコミンテルン=ブハーリン起源の「4大矛盾・3大革命勢力」をアプリオリに設定して「ソ連社会主義の優位性」や「資本主義の全般的危機」「ソ連・中国の核は平和のため」の論理を導き天皇制と「対ソ干渉戦争」に反対した「32年テーゼ」の日本像を接ぎ木した同党1961年綱領のドグマ的発想にまで、先祖帰りしました。そこから抜け出せないが故に、そのまま若者から見放されてインターネット・SNS文化になじめず、組織は閉鎖的に硬直化して、長期の少数指導者支配を生んでいます。
 
● 共産党の目玉だった機関紙「しんぶん赤旗」を、近所の市立図書館の閲覧室で見つけ、ウェブ上で読むところがないと話題になった1月29日付けを眺めてみました。なるほど、党員向けの委員長国会質問と副委員長の党勢拡大精神論で紙面が埋められ、ジャーナリズムとしての価値ある情報はありません。you tube早送りすればいい内容です。いや強いていえば、テレビ・ラジオ欄の大きさが異様で、いわゆる第二社会面の下の方にずらりならんだ、おそらく無名の熱心な活動家であったであろう高齢者たちの訃報10数人分の並びが、同党の近い将来を暗示して、痛ましく不気味でした。なぜかトランプを再選させたアメリカ共和党や、日枝久のフジテレビ、出自を同じくする中国・北朝鮮の国家=党体制とも近似したところがあります。職場や地域の多様性や自律性、個人の主体性を認めることができず、地方議会議員などの除名除籍離党が相次ぎ、SNSばかりでなく、ローカルな現場のコミュニティからも告発され、訴訟もおこされるにいたっています。問われているのは、冷戦崩壊後の21世紀現実世界に正面から立ち向かい、トランプ型利己組織・指導者ファーストの専制に対抗しうる、個人と人権が尊重される、自由で多様でしなやかな社会組織・政治組織の在り方です
 
 
 
 
 

映画「キノ・ライカ」で新年のリフレッシュを!

2025.1.1● 1214日に、東京でフィンランド映画キノ・ライカ 小さな町の映画館」が、渋谷のユーロスペースと青梅のシネマネコで封切られました。1月・2月に、全国で順次上映されます。お勧めです。「キノ・ライカ」とは、ヘルシンキから車で1時間の湖畔の町カルッキラに、映画監督アキ・カウリスマキと作家で詩人のミカ・ラッティ2021108日に開いた映画館。ワインバーや川沿いのテラスを併設し、毎月コンサートを開催しているほか、展覧会なども行う街の複合文化施設となっています。アキ・カウリスマキは、2002の『過去のない男』で55回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、2017の『希望のかなた』が67回ベルリン国際映画祭で銀熊賞受賞、という巨匠です。人口9000人の森と湖の町に、多くの芸術家や文化人、映画好きの労働者が散在し、そこにジャンルや出自を超えて語り合う場をつくった物語です。
● 11月の精密検査結果が順調で、主治医から小旅行の許可を得た私は、リハビリを兼ねて、「キノ・ライカ」を、奥多摩・青梅の木造の映画館「シネマネコ」で観てきました。青梅は、昭和ノスタルジックの映画ポスターなどでで町興し中で、「シネマネコ」はキノ・ライカ」にふさわしい、小さな映画館です。私が本格的に「スターリン主義批判」を始めた時期からの50年来の友人で「同志」である日系フィンランド人篠原敏武さんが、「雪の降る町を」など全編を流れる日本語の歌を唱い、地元に根付いた歌手として出演しています。私は、1985年以降、ヨーロッパ滞在・調査のたびにカルッキラの町を訪れ、滞在してきました。映画の舞台をなつかしく想い出すと共に、生活に根ざした芸術の美しさと逞しさが伝わる秀作に、感動しました。隣国韓国の政治が気にかかる人には「ソウルの春」でしょうが、新年の癒しとリフレッシュには、北欧のキノ・ライカ」です。皆さんに、強くお勧めします。

● 映画『キノ・ライカ』は、奥能登の大地震に始まり、気候変動がいやでも実感された2024年を締めくくる、ある種の清涼剤、いや、冬景色のなかのぬくもりでした。ウクライナとパレスチナで戦争と虐殺がやまず、世界中で選挙クーデタによる大きな政治変動が起こりました。移民・難民をめぐるヘイトスピーチやSNSを使ったポピュリズムが、旧来の政党政治や民主主義を揺るがし、相互の信頼と討論にもとづく対話と熟議の政治を脅かしました。「キノ・ライカ」は、そうした世界的流れに、いろいろな国や民族の出身者がフィンランドの岸辺に集い、職業・階級・階層、思想・信条・宗教の違いを越えて、生活に根ざしたまちづくりを地道に進めた、北欧型ローカル・コミュニティの実践を示しています。それは、もともとの政治の原点を、示唆しているようにも思えました。

 2025年は、第二次世界大戦の独日敗戦による戦後80年です。メディアの特集も多いでしょう。日本政治に即しては、国会の政治改革や韓国・災害の緊急事態がらみで、普通選挙法・治安維持法100年が問題になるでしょう。なにしろ今日の公職選挙法や国会運営の大本は、100年前の「国民」観と制度設計によっていますから。国際秩序も2024年選挙イアーの結果を受けて、大変動になるでしょう。プーチンや習近平の個人崇拝・独裁に、アメリカ大統領トランプが加わって、20世紀には受動的だった世界のローカル・ナショナル・リージョナルな動きと、対峙しています。逆に、20世紀の大国秩序を揺るがした日本など一部の成り上がり先進国は、新たな国際秩序を引き受ける側に、まわらざるをえないでしょう。トランプの就任直後には、世界の人々の健康と生命に直結するWHO(世界保健機構)脱退、再編がありそうです。すでにOECD統計で、一人あたりGDPは22、韓国以下に落ち込みました。IMFの統計では、かつて1990年代に世界一の経験もある日本は、32,859ドルで39位、トップのルクセンブルグの3分の1以下で、北欧スウェーデン・フィンランドの6割以下、アジアではシンガポール、香港、台湾、韓国に追い抜かれ、スロバキア、サウジアラビア・クウェートなみです。日本の自公支配の不安定、物価高、財政破綻、為替市場、健康保険証廃止とマイナカード強制等の効果も、世界の大きな変動の従属変数になります。来年も国民生活にとっては厳しい、激動の年になるでしょう。郵便の年賀は失礼します。皆さん、それぞれの足場をしっかりとかためて、自分の家族と生活を守りましょう。 本年もよろしくお願い申し上げます。

 獣医学の小河孝教授とコラボした共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)に続いて、2024年9月に、 獣医学者の小河孝さん、歴史学者の松野誠也さんと共著で、『検証・100部隊ーー関東軍軍馬防疫廠の細菌戦研究』という書物を刊行しました。やや高価な学術書ですが、本サイトに幾度か寄せられた、旧100部隊員の遺言を受けた「匿名読者」との対話編も入っていますので、多くの皆さんに読んでいただければと願います。

2024年6月1日(土曜日)、東京・目白の学習院大学で、日本平和学会の平和文化研究会として、尾崎・ゾルゲ研究会もコラボして、劇団民芸・木下順二作「オットーと呼ばれる日本人」の合評会を兼ねた研究会を開きました。第6回尾崎=ゾルゲ研究会(OS通信号外)となります。 ● 第6回  尾崎=ゾルゲ研究会研究会 尾崎=ゾルゲ事件と『オットーと呼ばれる日本人』との交錯をめぐって」 報告1  20世紀共産主義の総括へ―『オットーと呼ばれる日本人』劇評1島村輝(フェリス女学院大学教授) 報告2  レ・コミュニストとは何者であったのか?―『オットーと呼ばれる日本人』劇評2鈴木規夫(愛知大学教授)討論   加藤哲郎(一橋大学名誉教授) 、司会   渡辺守雄(筑紫女学園大学教授)渓流斎日乗さんの参加記が出ています。

● 尾崎=ゾルゲ研究資料蒐集、聞き取り調査などの実施について引き続き、是非ともご協力のほどお願い申し上げます。ご用の向きは、以下の事務局へご一報頂ければと存じます。 尾崎=ゾルゲ研究会事務局:愛知大学名古屋校舎鈴木規夫研究室気付 norioszk@vega.aichi-u.ac.jp/ 20221107os@gmail.com


 私が代表をつとめる尾崎=ゾルゲ研究会のシリーズ第一弾、A・フェシュン編・名越健郎・名越洋子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(みすず書房)、を刊行した延長上で、シリーズ第二弾のオーウェン・マシューズ著、鈴木規夫・加藤哲郎『ゾルゲ伝 スターリンのマスター・エージェント』(みすず書房)が刊行しました。

 

「等身大のゾルゲ解明へーー尾崎=ゾルゲ研究会発会主旨」(毎日新聞、2022年2月13日夕刊) 

シリーズ「新資料が語るゾルゲ事件」尾崎=ゾルゲ研究会編(みすず書房)

アンドレイ・フェシュン著、名越健郎・名越陽子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945』(みすず書房)

「蘇るスパイ・ゾルゲ」(『週刊朝日』2022年11月11日号) 

「スパイ事件 公表から80年 ゾルゲにソ連側が不信感 機密文書まとめた資料集邦訳」(毎日新聞夕刊2022年12月14日

「伝説のスパイ ゾルゲの謎に迫る、刑死から78年、書籍続々」(朝日新聞夕刊2023年1月20日)

明治大学平和教育登戸研究所資料館 第13回企画展講演会:加藤哲郎「ゾルゲ事件についての最新の研究状況」(2023年5月)

岸惠子主演『真珠湾前夜』が可能にした学術的ゾルゲ事件研究」(みすず書房HP、2023年5月18日)

<土曜訪問インタビュー>「プーチンの原点は ゾルゲ研究から ウクライ ナ侵攻探る」 加藤哲郎さん(一橋大名誉教授)(中日・東京新聞2023年6月3日)

ゾルゲ事件研究深化、愛知大文庫開設を計画 寄贈資料すでに1000点(中日新聞7月27日夕刊トップ)

<記者がたどる戦争>ゾルゲ事件(北海道新聞2023年8月111213日) 

毎日新聞『ゾルゲ伝』書評:岩間陽子「極東と欧州、同時代の歴史が融合」(2023年7月22日)

読売新聞『ゾルゲ伝』書評:井上正也「大物スパイ 成功と孤独」(2023年9月1日)

東京新聞「ゾルゲ事件の新証言 自白強要や拷問なかった、元特高警察の男性の生々しい記録が見つかる 戦時中のスパイ捜査」(2023年9月18日)

北海道新聞「ゾルゲ事件」捜査つづる遺稿集 元特高警察の男性遺族、愛知大教授に寄贈」(2023年11月9日)

東京新聞「ゾルゲ事件、特高警察の取り調べ記録を「研究に役立てて」 主任警部の遺稿集を遺族が愛知大に寄贈」

(2023年11月13日)

● 2024年アメリカ大統領選投票直後の11月7日は、リヒアルト・ゾルゲと尾崎秀実が1944年に国防保安法違反ほかで死刑に処されて80周年でした。私たちの尾崎=ゾルゲ研究会は、11月6−9日に、中国やロシアからゲストを招き、 愛知大学人文科学研究所と共同で、国際ワークショップ「ユーラシア大陸の秩序再編とインテリジェンスをめぐって」を開きました。加藤哲郎「ゾルゲ事件研究の現段階」「要旨」と配付資料、当日報告パワポ)、上海師範大学・蘇智良教授「上海から東京へ:陳翰笙のインテリジェンス生涯」、モスクワ大学A・フェシュン教授の「尾崎とゾルゲとの個人的・事務的関係 」の3本が基調報告されました。中国からは陳麗菲 、洪小夏、徐静波、馬軍、徐青、臧志軍氏ら、日本から長堀祐造、田嶋信雄、 鈴木規夫、名越健郎、清水亮太郎氏らの報告と討論が行われました。詳しくは、ka新設された尾崎=ゾルゲ研究会ホームペーをご参照ください。または、愛知大学の尾崎=ゾルゲ研究会事務局(20221107os@gmail.com)にお問い合わせください。

● 11月の国際会議の直後、名越健郎さんの文春新書『ゾルゲ事件ーー80年目の真実』が公刊されました。最新の研究成果を盛り込んだ、格好の入門書です。是非ご参照ください。

かと本学には、以下のようなセクションがあります。学びを志す方は、 どちらのドアからでも、ご自由にお入り下さい。

加藤哲郎研究室(学長兼事務員の自己紹介当研究室刊行物一覧、エッセイ等)

新総合カリキュラム(2020年1月、大学院レベルの専修コースに再編しました)

情報学研究室(必修カリキュラム、 リンク集処理センターと歴史探偵収集センターが両輪です)

政治学研究室総合カリキュラム、永久保存版論文・エッセイ多数収録)

現代史研究室総合カリキュラム、日本現代史、旧ソ連秘密資料もあります)


情報収集センター (本学の目玉で特別研究室731部隊『「飽食した悪魔」の戦後』特集、「現代史の謎解き」「国際歴史探偵」の宝庫、データベース「旧ソ 連日本人粛清犠牲者・候補者一覧」「在独日本人反帝グループ関係者名簿 」「旧ソ連秘密資料センター」などが入っています!)

イマジンIMAGINE!(3.11FUKUSHIMA後更新)、■Global IMAGINE、■IMAGINE GALLERY、■「戦争の記憶」 (番外ka大正生れの歌(2018年版) 」「100人の地球村 」)

特別研究室731部隊研究・『「飽食した悪魔」の戦後』特集:「2019年の尋ね人」=731部隊結核班長「二木秀雄」、元北海道副知事「長友浪男」について、情報をお寄せください! ( 戦医研論文、「731部隊と旧優生保護法強制不妊手術を結ぶ優生思想(you tube)」


 

学術論文データベ ース図書館 (書評の部屋、エッセイ集カレッジ日誌(過去ログ) 、「98-06ベルリン便り」99-12 メキシコ便り」「パンデミックの政治学2009」、竹久 夢二探訪記」もあります) 


国際交流センター (Global Netizen College only in English
客員教授ボブ・ジェソップ研究室 (イギリスの国家論者Bob Jessopの Homepageと直結、最新論文をダウンロードできます)
† 客員名誉教授故ロブ・スティーヴン研究 室(オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学、「日本 =ポスト・フォード主義国際論争」の私の共著者、2001年4月18日永眠。遺稿"Competing Capitalisms and Contrasting Crises: Japanese and Anglo-Capitalism"
† For the Eternal Memories of Prof. Mikhail Masaovich Sudo, Dr. Jasim Uddin Ahmed , and Mr. Allan Sadaminovich Sasaki(2011年1月、本カレッジの発展に多大の貢献をした、須藤政尾遺児ミハイル・スドー教授、ヤシム・アハメッド博士、健物貞一遺児アラン・ササキさん追悼ページ)、 

 

 Since Aug.15,1997で、2020年1月に大幅改訂しました。開設以来の、ちょっと嬉しく恥ずかしい話。WWW上の学術サイトを紹介するメール マガジン"Academic Resource Guide"第3号「Guide & Review」で、本HPが学術研究に有用な「定番」サイトに選ばれました。ありがたく また光栄なことで、今後も「定番」の名に恥じないよう、充実・更新に励みます。同 サイトは、学術研究HPの総合ガイドになっていますから、ぜひ一度お試しを! 「Yahoo Japan」では「社会科学/政 治学」で注目クールサイトに登録され、特別室「テル コ・ビリチ探索記」が「今日のオススメ」に、「IMAGINE! イマジン」が「今週のオススメ」に入りました。「LYCOS JAPAN」では「政治 学・政治思想」のベストサイトにされていましたが、いつのまにか検索サイトごと「Infoseek」に買収され、「学び・政治思想 」でオススメ・マークを頂いたようです。『エコノミスト』では、 なぜか「イ ンターネットで政治学」の「プロ」にされましたが、河合塾の「研究者インフォー メーション 政治学」では「もっとも充実した政治学関係HP」、早稲田塾の「Good Professor」では、「グローバ ル・シチズンのための情報政治学を発信」という評価をいただきました。「日経新聞・I Tニュース」では「学術 サイトとしては異常な?人気サイトのひとつ」として、「リクルート進学ネッ ト」にも顔を出し、「インターネットで時空を超える大学教員」なんて紹介されました。朝日新聞社アエラ・ムック『マスコミに 入る』で、元勤務先一橋大学の私のゼミナールが、なぜか「マスコミに強い大学 」のゼミ単位東日本代表に選ばれ「堅実・純粋な感 性」を養う「社会への関心が高い『問題意識』の強い学生が集う」ゼミナール として紹介されました。「 ナレッジステーション 」には、「政治学 ・おすすめ本」を寄せています。早稲田大学客員教授の時に、共同通信配信全国地方紙掲載「こんにち話」で「国際歴史探偵 」と認定していただき、法政大学大原社会問題研究所で「『国際歴史探偵』の20年」を話させていただきました。その後、中部大学「アリーナ」誌で、なぜスターリン批判に入ったかの1970年代の話とモスクワ日本人粛清に関わるアメリカ共産党日本人部の話を、その延長上で「等身大のゾルゲ事件研究」について、毎日新聞東京新聞のインタビューに答えています。恥ずかしながら、ありがとうございました。

情報政治が情動社会により動かされる時代に‥‥

2024.12.1 ● 世界の「選挙の年」のポピュリズムによる変動は、とどまることを知りません。アメリカのトランプ大統領再当選で、世界はウクライナやパレスチナの戦場、メキシコ・カナダ国境ばかりでなく、米中・米日の関税・為替でも、予測不能な2025年を迎えます。ドイツのように、3つの州議会選挙での右派ポピュリズム・ナショナリズム政党の台頭を受けて、SPD首班の連邦政府の連立再編と来年2月の総選挙への延長戦を決めた国も出てきました。日本では、兵庫県で職員と議会から不信任された知事が、SNSでの同情・復活作戦を成功させて予想外の再選、名古屋市長選挙は新生日本保守党の代議士になった前市長の後継の前副市長が既成政党相乗りの有力候補を破って、これもポリュリズム的圧勝です。その延長上に、来年夏の参院選があります。世界でも日本でも、政党布置状況(constellation)の「右寄りシフト」ばかりでなく、20世紀型のハードな政党組織の行き詰まり・限界を、強く印象づけるものとなりました。

● しかし、これら全体の動きを、一部の陰謀論に見られるdeep state の盛衰(アメリカの場合は反軍産複合体、反エリートのポピュリズム)や、東京都知事選・兵庫県知事選に典型的なSNS戦略に長けたITビジネスの選挙工作の結果とのみ見るのは、早計でしょう。佐藤卓巳さんや伊藤守さんは、情報政治が匿名性や語感によりバーチャルに構築され、「真偽」よりも「信疑」が問題とされる「情動社会」によって傷つきやすくなった結果と見なしていますが、炯眼です。シュンペーターが選挙を市場に、政治家を生産者、有権者を消費者になぞらえたひそみにならえば、魅力ある商品の広告が競われるようになり、消費社会の記号論的価値と顧客満足度が変容してきたのでしょうか。情動=エモーショナルな言説世界では、特に若者たちの投票行動は、短期間でもうねりを作り出すようです。自民党の世襲の色濃い利権誘導はもとより、公明党の宗教的御利益言語も、共産党の革命的ジャルゴンも、キャッチーな情動言説の不定型な広がりの前では、非力でした。

● このことは、政治の世界が、かつての街頭演説と戸別訪問、議会討論の定型から解き放たれ、新聞・ラジオ・テレビと広がったメディアのパターン化された一方的送信・宣伝からも距離をおいて、SNSに象徴される相互承認・排斥型コミュニケーションの中で展開されるようになった21世紀的事態です。日本では有権者性悪説を前提し、戸別訪問さえ投票の買収につながるからと禁止され、選挙ポスターも公設掲示板のみの厳しい制限が課された公職選挙法が、1925年普通選挙法以来、長く続いています。日本に限らず、議会選挙や公職の選任の仕方をどのように変えていくかは、マイナンバーカードによる健康保険証廃止や運転免許証ひもづけなどよりも、はるかに緊急で、切実な政治的課題でしょう。さしあたりは政治資金における企業・団体献金の禁止です。もっとも、それを議論し決める主体が、現行法で選ばれた議員たちというジレンマはつきまといますが。

● こうした政治の歴史的構造転換を、『情報戦の時代――インターネットと劇場政治』(花伝社、2007)で論じた時、手がかりになったのは、つい先日マンション火災で死亡が確認された猪口孝さんの先駆的な「情報」概念の理論的検討でした(『年報政治学 1979 政治学の基礎概念』岩波書店)。それまで「情報」と「諜報」の区別も曖昧で、「情報公開」の政治的意味が軽視されてきた日本の政治学の世界に、通信を媒介とした送信者→受信者のコミュニケーション過程のなかに「情報」を措定し、「情報は政治目標をもつ政治主体に対して、政治環境についての不確定度を減少させ、政治目標の達成をより容易にする確率を高める。いいかえると、政治目標の達成のための政治環境の操作を成功させる度合を高めうる要素のひとつとして考えられる」と初めて定義したのは、『レヴァイアサン』誌を創刊する前の若き猪口孝さんでした。

● 私自身は、19世紀機動戦・街頭戦→20世紀陣地戦・組織戦21世紀情報戦・言説戦ネオ・グラムシ的理論モデルを作るにあたって、猪口さんのこの政治学定義や吉田民人さんの社会学的考察を大いに参考にしましたが、猪口さんの「情報は政治環境についての不確定度を減少させる」という定義に対し、吉田さんの「広義の情報概念=物質・エネルギーの時間的・空間的、定性的・定量的なパターン」を参照して、「ノイズ=雑音も情報である」としたのが、私なりの問題提起でした。つまり、フェイクニュースや根拠なきプロパガンダも「政治的情報」として分析の対象にするという立場でした。この点の違いはありますが、「情報の政治的意味」について端緒的に論じた猪口孝さんを理論的にリスペクトしてきました。心より哀悼の意を表します。

● マンション6階の猪口さんのお宅には多くの蔵書があり、それが強風下で火の手を早めて初期消火を難しくしたともいわれます。この2年余、コロナ禍で入院・手術し、書物に囲まれたベッドでリハビリをしてきた私には、他人事ではありません。幸い年末が近づいて、11月には尾撫G実=ゾルゲの80回忌国際ワークショップ他たびたびの都心への外出がありましたが、何とかゆっくり歩いて出席することができました。ゾルゲ事件については、名越健郎さんの新著『ゾルゲ事件――80年目の真実』(文春新書)も出て、来年も活発な議論を聞けるでしょう。心臓病手術をした専門病院の術後2年の精密検査では、リハビリによる順調な快復と診断されました。リハビリとクスリは継続しますが、これからは年に1度のCT検査でのチェックになります。この間、多くの皆さんからお見舞い・激励をいただきましたが、この場を借りて厚く御礼申し上げます。まだ全快とは行きませんが、2025年に向けて、新たな研究生活の再出発へと、助走を開始します。  

 獣医学の小河孝教授とコラボした共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)に続いて、2024年9月に、 獣医学者の小河孝さん、歴史学者の松野誠也さんと共著で、『検証・100部隊ーー関東軍軍馬防疫廠の細菌戦研究』という書物を刊行しました。やや高価な学術書ですが、本サイトに幾度か寄せられた、旧100部隊員の遺言を受けた「匿名読者」との対話編も入っていますので、多くの皆さんに読んでいただければと願います。

6月1日(土曜日)、東京・目白の学習院大学で、日本平和学会の平和文化研究会として、尾崎・ゾルゲ研究会もコラボして、劇団民芸・木下順二作「オットーと呼ばれる日本人」の合評会を兼ねた研究会を開きました。第6回尾崎=ゾルゲ研究会(OS通信号外)となります。 ● 第6回  尾崎=ゾルゲ研究会研究会 尾崎=ゾルゲ事件と『オットーと呼ばれる日本人』との交錯をめぐって」 報告1  20世紀共産主義の総括へ―『オットーと呼ばれる日本人』劇評1島村輝(フェリス女学院大学教授) 報告2  レ・コミュニストとは何者であったのか?―『オットーと呼ばれる日本人』劇評2鈴木規夫(愛知大学教授)

討論   加藤哲郎(一橋大学名誉教授)  司会   渡辺守雄(筑紫女学園大学教授)

渓流斎日乗さんの参加記が出ています。 ● 尾崎=ゾルゲ研究資料蒐集、聞き取り調査などの実施について引き続き、是非ともご協力のほどお願い申し上げます。ご用の向きは、以下の事務局へご一報頂ければと存じます。 尾崎=ゾルゲ研究会事務局:愛知大学名古屋校舎鈴木規夫研究室気付 norioszk@vega.aichi-u.ac.jp/ 20221107os@gmail.com


 私が代表をつとめる尾崎=ゾルゲ研究会のシリーズ第一弾、A・フェシュン編・名越健郎・名越洋子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(みすず書房)、を刊行した延長上で、シリーズ第二弾のオーウェン・マシューズ著、鈴木規夫・加藤哲郎『ゾルゲ伝 スターリンのマスター・エージェント』(みすず書房)が刊行しました。

 

「等身大のゾルゲ解明へーー尾崎=ゾルゲ研究会発会主旨」(毎日新聞、2022年2月13日夕刊) 

シリーズ「新資料が語るゾルゲ事件」尾崎=ゾルゲ研究会編(みすず書房)

アンドレイ・フェシュン著、名越健郎・名越陽子訳『ゾルゲ・ファイル 1941−1945』(みすず書房)

「蘇るスパイ・ゾルゲ」(『週刊朝日』2022年11月11日号) 

「スパイ事件 公表から80年 ゾルゲにソ連側が不信感 機密文書まとめた資料集邦訳」(毎日新聞夕刊2022年12月14日

「伝説のスパイ ゾルゲの謎に迫る、刑死から78年、書籍続々」(朝日新聞夕刊2023年1月20日)

明治大学平和教育登戸研究所資料館 第13回企画展講演会:加藤哲郎「ゾルゲ事件についての最新の研究状況」(2023年5月)

岸惠子主演『真珠湾前夜』が可能にした学術的ゾルゲ事件研究」(みすず書房HP、2023年5月18日)

<土曜訪問インタビュー>「プーチンの原点は ゾルゲ研究から ウクライ ナ侵攻探る」 加藤哲郎さん(一橋大名誉教授)(中日・東京新聞2023年6月3日)

ゾルゲ事件研究深化、愛知大文庫開設を計画 寄贈資料すでに1000点(中日新聞7月27日夕刊トップ)

<記者がたどる戦争>ゾルゲ事件(北海道新聞2023年8月111213日) 

毎日新聞『ゾルゲ伝』書評:岩間陽子「極東と欧州、同時代の歴史が融合」(2023年7月22日)

読売新聞『ゾルゲ伝』書評:井上正也「大物スパイ 成功と孤独」(2023年9月1日)

東京新聞「ゾルゲ事件の新証言 自白強要や拷問なかった、元特高警察の男性の生々しい記録が見つかる 戦時中のスパイ捜査」(2023年9月18日)

北海道新聞「ゾルゲ事件」捜査つづる遺稿集 元特高警察の男性遺族、愛知大教授に寄贈」(2023年11月9日)

東京新聞「ゾルゲ事件、特高警察の取り調べ記録を「研究に役立てて」 主任警部の遺稿集を遺族が愛知大に寄贈」

(2023年11月13日)

● アメリカ大統領選投票直後の11月7日は、リヒアルト・ゾルゲと尾崎秀実が1944年に国防保安法違反ほかで死刑に処されて80周年です。私たちの尾崎=ゾルゲ研究会は、11月6−9日に、中国やロシアからゲストを招き、 愛知大学人文科学研究所と共同で、国際ワークショップ「ユーラシア大陸の秩序再編とインテリジェンスをめぐって」を開きます。その研究会は、東京・茗荷谷(地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅3分)の拓殖大学文京キャンパス茗荷谷校舎E館901教室で、7日午後3時から6時(会場の癒合で2時間早まりました)に、加藤哲郎「ゾルゲ事件研究の現段階」「要旨」と配付資料はここに、当日報告パワポはここから)、上海師範大学・蘇智良教授「上海から東京へ:陳翰笙のインテリジェンス生涯」、モスクワ大学A・フェシュン教授の「尾崎とゾルゲとの個人的・事務的関係 」の3本が基調報されます。 翌8日は、同じ会場で10時から中国の陳麗菲 、洪小夏、徐静波、馬軍、徐青、臧志軍氏、日本の長堀祐造、田嶋信雄、 鈴木規夫、名越健郎、清水亮太郎氏らの報告と討論が行われます。詳しくは、ka新設された尾崎=ゾルゲ研究会ホームページに、公開研究会出席とオンライン参加用の窓口が開かれましたので、ご覧になって、申し込んでください。または、愛知大学の尾崎=ゾルゲ研究会事務局(20221107os@gmail.com)にお問い合わせください。