Netizen College 情報処理センター

──政治学が楽しくなる、インターネット宇宙の流し方──

(180万ヒット記念リンク集2016年1月改訂・修正)

加藤 哲郎


●本LINK集のポリシー ●ネチズンシップ ●サーチエンジン 

●特選オススメサイト ●メディア・ポリティクス ●9.11以後の世界、中東・朝鮮半島

 ●護憲・活憲・知憲・論憲・加憲・創憲・改憲  ●永田町・霞ヶ関方面

 ●シングルイシューと市民運動 ●政治学と国際関係 ●社会科学・人文科学

 研究リソース・ツール ●過労死とエコマネー ●沖縄から世界に

●左翼情報・右翼情報 ●団塊の世代の息抜きのために


現在進行形の戦争と平和の問題は、平和情報・論説サイト「IMAGINE! イマジン」祈り・癒し系♪ IMAGINE GALLERY論説・過去リンクはIMAGINE DATABASE SPECIAL「戦争の記憶」(番外大正生れの歌・探索記」「100人の地球村 」)、英語でGlobal IMAGINEにリンク! 


情報処理センター=本LINK集のポリシーかつて、未だNetscapeInternet Explorerも、Safariも Firefoxもなかったインターネットの石器時代に、モザイクというWWWブラウザがありました。その世界をおそるおそる覗いて感動したのが、一つは「バーチャル世界旅行」という、世界地図をクリックして行くとインドの小都市まで入れる英語サイトであり、もう一つが「インターネット・どこでもドア」という、いくつものキーワードの組み合わせで作られた文章をたどっていくと、知らず知らずにインターネットの広大な宇宙を思い知らされる日本語サイトでした。私のリンク集は、この後者=「どこでもドア」方式で作られています。

● 二木麻里さんの 「ARIADNE」のような定番リンク集に比べると、独断と偏見に満ちていて、使いにくいかもしれませんが、「初心忘るべからず」で、頑固にこの方式を踏襲するつもりです。ただし、あまりに長くなったので、10万ヒットを機会に、大分類を付して再整理しました。この世界の奥行きを知るために、できれば下の方にも、目を通してください。ブログmixiとかいって、韓国情報のような面白い情報交換サイトが生まれていますが、昨年注目したメディア・レボルーションは休止に追い込まれたようです。最近はYou Tubeのような映像サイトが一世を風靡しています。本HPは、古典的に、野村一夫さんのいう「インフォアーツ」の流儀を守ります。

●ネチズンシップ インターネットの世界は、インターネット市民=ネチズン(netizen)がネチズンのために構成するものですが、そこに政府(government)があるわけではありません。蜘蛛の巣状に広がった巨大なコミュニケーション=<ふれあい=相互承認>関係の網の目で、国境なきグローバル・ヴィレジ(地球村)になっています。しかし、政府はなくても、デモス(民衆)=ネチズンのコミュニケーションの繰り返しのなかで、ある種のクラティア(力)=ガバナンス(governance 統治性・政体)とルールは形成されてきました。それが、「ネチケット・ホームページ」にあるように、ネット上でのデモクラシーのルール=「ネチケット」(netiquette)として定着しています。

● ところが首相官邸ホームページに収録された小渕内閣時「21世紀日本の構想懇談会」報告書によると、英語のgovernance は「協治」と訳すべきなそうで、それも政府と個人が協力しあう関係なそうです。しかもそこには、21世紀日本の「グローバル・リテラシー」として、インターネットと英語の第二公用語化がうたわれています。それでなくてもインテル・マイクロソフトの独占で、ネット世界は「英語帝国主義」風なのに。現実世界の各種権力の介入を受けることなく、ネチズンのバーチャル・コミュニティを持続的に発展させるためには、私たち自身が不断に「ネチズンシップ」を発揮し、「ネチケット」に習熟することが求められます。東北大学後藤斉さんの「ウェブ・ポリシー」あたりが、ネチズンシップの定番といえるでしょう。

● 2001年6月に「小泉内閣メールマガジン」が始まり、9月のアメリカ同時多発テロと報復戦争以来、日本でも本格的なインターネット政治の時代に入りました。「ネチズン」の概念も、徐々に普及してきました。いうまでもなく"Netizen"とは、"network citizen"の合成略語です。すでにインターネット上の百科事典ウィキペディア日本語版にも採用されています。英語版Yahooで検索すれば、"Netizens: On the History and Impact of the Net"というネットブック他1090万(昨年254万)のサイトが出てきます。日本語版ヤフーで検索できるサイト名としては本HPだけですが、内容に立ち入ってアクセス数で順番が出るグーグルに入れると、本「ネチズンカレッジ」は45万(昨年36万)件中4番目(昨年同)で出てきます。上位3サイトはWikipediaなど用語説明ですから、本サイトは草分けで、名実ともに日本を代表するネチズン・サイトということになります。もっとも最近は「ネチズン村」というサイバー・ビレッジや、「ネチズン大学」もできてきたようです。IT用語辞典『e-Word』には、「『network citizen』(ネットワーク市民)を短縮した造語」で、「コンピュータネットワーク内に形成されるコミュニティに対して帰属意識を持ち、主体的に関わっていこうとする人々のこと。アメリカのコロンビア大学から起こったと言われている。コンピュータネットワークを『もう一つの社会』として好意的にとらえる文脈で用いられる言葉であり、国境や立場を超えたネットワーク上での人のつながりが強く意識される。同種の造語としては、ネットワーク上で守るべきマナーを意味する『ネチケット』などがある」と、コロンビア大学起源説まで出てきます。

● 日本の平均寿命は、2005年に女性が85.49歳、男性78.53歳で男女とも長寿世界一なそうですが、ネチズンは、年齢に関係がありません。20歳にならなきゃ選挙権がなかったり、逆に当選5回でようやく入閣候補といったリアル・ポリティクスの世界とはちがいます。アメリカのキッズ・ゲルニカ、日本のちひろ美術館は、こどもたちのための平和スペースです。逆に1921年生まれの吉田悟郎さん= 「ブナ林便り」、1922年生まれの作田啓一さん=「激高老人のブログ」、1926年生まれの伊豆利彦さん= 「日々通信  いまを生きる」のように、21世紀にウェブ上で若返って、連日みずみずしい健筆をふるっていらっしゃる方々もいます。

●サーチエンジン ネット・サーフィンの第一歩は、「索引」を使いこなすことです。このHPは、定番サーチエンジン「Yahoo Japan」で、「政治」ではなく「社会科学/政治学」に登録してあります。しかしそこには、小林秀高さんの「KH'S Web site」、私加藤哲郎の研究室、北海道大学山口二郎研究室のほかは、東京工業大学田中善一郎研究室、日本政治総合研究所白鳥令研究室など著名な選挙分析サイトがあるものの、あまり多くは出てきません。法政大学五十嵐仁さんの「転成仁語」、新潟県立大学猪口孝さん慶応大小林良彰研究室のようにそこには出ていないものを含め、全国各大学HP内に教育のためのカリキュラム型サイトは数多くありますが、略歴・業績目録だけのものが圧倒的です。

● サーチエンジンにもすぐれものがあります。Googleは、きめ細かい検索が特徴で、たとえば「加藤哲郎」で検索すると、ホームページの内容に立ち入って(立ち入りすぎでは?)チェックし、同姓同名の元プロ野球選手や写真家・映画監督・お医者さんを含め、なんとGoogleで5万近くの関連(?)サイトを、一瞬にしてリストアップしてくれます。「丸山真男」なら、グーグルで12万近くあります。好きなタレントや自分の名前を打ち込んで、驚いたりしますよ。時事問題の場合は、Google News, フレッシュアイが便利、10分毎に更新されています。ネット上の辞書Wikipedia日本語版は、いまや55万(昨年45万)項目突破で、『広辞苑』を凌駕する勢いです。英語版は268万(昨年215万)項目を超え、内容もオープンソースで充実させ、百科事典の世界を一変させました。このへんのウェヴ進化の最新情報は、梅田望夫さんのサイトが定番。

●特選オススメサイト 20世紀までは「加藤哲郎の研究室」だった本「ネチズン・カレッジ」は、WWW上の学術サイトを紹介する権威あるメールマガジン「Academic Resource Guide(ARG)」で、学術研究に有用な「定番」サイトの一つに選ばれました。Yahoo Japanでは、日本の「社会科学」で12しかない注目クールサイトに登録され、特別室「テルコ・ビリチ探索記」が「今日のオススメ」、「IMAGINE! イマジン」が「今週のオススメ」に入りました。眼鏡のクールサイトマークは、英語版「Yahoo」にもあって、グローバル・スタンダードの勲章のようです。

● しかし、学会とインターネット世界は違います。政治学でも、宮地健一さんの「共産党・社会主義問題を考える」・幸子さんの「注文メニューの多い料理店」というご夫妻サイトや、残念ながら更新の止まった「市民のための丸山真男ホームページ」のような、内容が充実し、市民の眼からの政治の発見と読ませる工夫がある、お勧めサイトがあります。この「市民のための丸山真男ホームページ」が、ブログの世界で圧倒的人気で2009年から有料化の実験に踏み切る「世に倦む日日」さんの原点です。「Academic Resource Guide」のwebmaster岡本真さんは「丸山真男没後資料目録」も主宰しています。9.11は、丸山の精神を引く千葉大小林正弥さんらの「公共哲学ネットワーク」を発足させ、ネットワークの中で公共的に議論し発展させる「アカデミック・リナックス」方式を開発しました。

● 2000年7月に産声をあげたコメンテーター有田芳生さん「酔醒漫録」は、毎日更新で驚異的アクセスを記録し、今年は選挙に挑戦する真面目な政談が読めます。大原社会問題研究所「電子図書館・資料館」の企画・開設者である政治史・社会運動史の二村一夫さんの「著作集」は、学問の深さと厚みを味わえるサイトです。私の共同研究者藤井一行教授の「新研究室」は、和田春樹教授サイトと、インターネット上で論争しています。サーカス研究家大島幹雄さんの「デラシネ通信」が、日本人サーカス芸人のスターリン粛清も追いかけて、本カレッジと提携しています。同志社大学田中真人さんは2007年に亡くなられましたが、その研究成果である日本社会運動史サイトは生き続けています。私のサイトの現代史研究コースの力強い味方でした。合掌!

● ご本家英語版「Yahoo」からは、ハーバード大学ライシャワー研究所HPがお勧め、アメリカの良心が読みとれます。イギリス・ランカスター大学の国家論で著名なBob Jessop のHomepageは、本HPと提携しています。外国の政治学的論評では、日本語で読めるフランス誌「ル・モンド・ディプロマティーク」が一押しです。

● とにかく政治学にとって、世界の現実のすべてが知的対象です。この青い地球は、万巻の書物です。ちょうど明治学院大学の稲葉振一郎さんがロールズやノージックの提起した問題に「風の谷のナウシカ」や「新世紀エヴァンゲリオン」までくぐって考えているように、同じく明治学院大学加藤秀一さん研究室がフェミニズムやジェンダーを通じて、立命館大学立岩真也さんHPが生命科学を通して発言しているように、慶応大学小熊英二さんが自分たちの音楽サイト「弦と蛇腹の夜」から『超インド日記』(本になって全文は読めなくなりましたが)を発信して実践してきたように、インターネット宇宙は、重要な知的刺激でありうるのです。大阪府立大森岡正博さんの生命学ホームページは、英語版のInternational Network for Life Studiesを開設して、さらに充実しました。

●メディア・ポリティクス それでは直接政治学に役立つサイトとは、どんなものでしょうか? 現実政治の最新ニュースなら、簡単です。ヤフーの「メディアとニュース」から入れば、新聞やテレビのあらゆる情報に、一瞬でアクセスできます。しかし、せっかくサーフィンするのなら、沖縄について『琉球新報』『沖縄タイムス』、長野県の動向なら『信濃毎日新聞』という風に、できるだけ現地の最新情報が欲しいですね。各新聞社にもデータベースがあって、例えば「佐賀新聞」からは、共同通信関係の1994年以降のニュースが、無料で検索・ダウンロードできましたが、あまりに宣伝したためかクローズされました。杉山真大さんの「インターネット政経要覧」は、使いでのある総合リンク集です。

● 田中宇さんの「国際ニュース解説」や神浦元影さんの「日本軍事情報センター」、福士光二さんの「ザ・20世紀」、森田実さんの「森田総研」、牧太郎さんの「ニ代目日本魁新聞社」、「江川紹子ジャーナル」「持田直武 国際ニュース分析」のような充実したニュース解説があり、新聞社のHP内にも船橋洋一さんの「日本@世界」、池澤夏樹さん「新世紀にようこそ」/「パンドラの時代」、日刊ゲンダイネット早野透「ポリティカ日本」などの解説サイトが保存されています。

● 『週刊ポスト』最新号もネット上で読めますし、紙の新聞ではなく、インターネット上の新聞もあります。英語『News on Japan』や『萬晩報』のようなバーチャル言論紙は、9.11以降飛躍的に広がりました。村上龍さんのJAPAN MAIL MEDIAはすっかりおなじみですが、NPO型インターネット新聞「JANJAN」、韓国で政治を変えた「オーマイニュース」、マイクロソフト運営でネスケでは読みにくい意地悪なMSNジャーナルばかりでなく、アジア情報の「日刊ベリタ」、辛口評論の日垣隆「ガッキイファイター」、過激な勝谷誠彦の××な日々殿下の御館は会員制に。平和系枝川公一さんHP「WAVE THE FLAG」星川淳さん@屋久島発インナーネットソース益岡賢さんHPAKIRAさんHP 「天の邪鬼日記」在日外資企業アシスト社長ビル・トッテンさんHP滝本太郎さん『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記」、英語ならメディア帝国CNN、アメリカ情報のUS Front LineThe Nation、イラクの日本人人質事件で大活躍したアラブの星アルジャジーラ、在日外国人のTokyo Progressive、等々。デジタル情報の世界はHotwired Japan、新聞・テレビの世界は日本ジャーナリスト会議Independent Media Center(Indymedia)、Alternative Media Watchなどが、これらをモニターし、チェックしています。「阿修羅」や「2ちゃんねる」については、十分ウェブ世界をこなしてからどうぞ。

●9.11以後の世界、中東・朝鮮半島  外国のことなら、焦点のイラクなど中東・パレスチナ問題について、イスラム世界がよくわかる「現代イスラーム世界を知る」The Palestine Chronicleなど。フィリピンについて一橋大中野聡さん、台湾について東京外語大小笠原欣幸さん、アメリカ研究なら故辻内鏡人さんの主催していた「Amstud 」、ラテンアメリカなら早大後藤雄介さんの「早稲田ラテンの杜」、イギリスなら愛知学院大学梅川正美さん、フランスなら大東文化大学におられた瓜生洋一さん研究室の「歴史家のためのパリ案内」、ドイツなら東大駒場のDESK、大野彰得さんの「私的思い入れのドイツ」クライン孝子日記、EUなら東京大学森井裕一研究室、ユーゴスラヴィア問題なら千田善さん、ポーランドなら東大小森田秋夫さんの「ロシア・東欧法研究ページ」、ハンガリーなら現地から発信する森田常夫さん、カナダなら川上直子さん「セカンド・カップ」という風に、すぐれた個人HPから、大変充実した世界情報がえられます。EIJS(ヨーロッパ日本研究機構)のような研究機関も、もちろんオススメ。

● 2001.9.11以降、国際ニュースの焦点は、ネグリ=ハート『帝国 EMPIRE』が予見していたかのように、戦争と平和の問題となりました。本HPの特設サイト「IMAGINE! イマジン」は、そのために設けられましたが、いまなお続くイラク戦争・内戦の市民犠牲者は「イラク・ボディ・アカウント」で9万人、「イラク戦争被害の記録」で日本語でも読めます。「占領」したはずの米英軍が、「復興」どころかゲリラ戦争最前線なことがわかります。CNNの月別犠牲者ワシントン・ポスト 紙HP米軍犠牲者欄も日常化しました。そのための費用は「イラク戦争のコスト Cost of the War in Iraq。日本語の最前線情報は、「パレスチナ情報センター」のパレスチナ問題を含め「ブナ林便り」綿井健陽Web Journal広河隆一通信森住卓HP、「暗いニュースリンク」「反戦翻訳団」などで。

● 「100人の地球村」に想いを馳せて、日本語サイトでは、WORLD PEACE NOW「反戦・平和アクション」、「Open Japan」、アメリカ同時多発テロへの武力報復に反対するホームページリンク集 「考えよう」 「送ろう」 「集まろう」とめよう戦争への道!百万人署名運動などに目配りし、「帝国」支配層の世界経済フォーラム(WEF)に対抗する、世界社会フォーラムWSF)や「ヤパーナ社会フォーラム」、アタック・ジャパン等の「もうひとつの世界は可能だ!」の声に耳を傾けましょう。アタック京都の「グローバリゼーション問題のリンク集」からは、より広い世界へ。

● アフガニスタンでも、中村哲医師ペシャワール会や日パ旅行社「オバハンからの気まぐれ通信」が伝えるように、戦乱は続いています。色平哲郎さん「信州の農村医療の現場から」のような、グローカルな視点を大切にしましょう。IMAGINE GALLERY所載「平和の一輪」の絵が清涼水。

● 世界政治のもうひとつの焦点は、朝鮮半島です。「IMAGINE! イマジン」中の「朝鮮問題リンク集では、韓国3大紙中央日報/東亜日報/朝鮮日報のほか、朝鮮総連の朝鮮新報最近の韓国・北朝鮮ニュース、雑誌なら統一評論などが日本語で読めて、英語なら北朝鮮中央通信The Chosun Journalもあります。「The Han World」のような総合サイトのほか、朝鮮民主主義研究センター現代コリア、私も支援している北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会「カルメギ」北朝鮮難民救援基金などがあり、「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」HPでは、李英和さんの「北朝鮮の民衆を忘れるな!」が、「太陽は独裁者のマントを脱がせることができるか」と問いかけています。

● 朝民研リンク集北朝鮮における民主主義の確立を目指すHP北朝鮮関係新刊情報朝鮮民主統一救国戦線北朝鮮の核開発データ集高槻むくげの会などは、それぞれ目的にあわせて情報チェック。歴史の問題は、「大日本史番外編 朝鮮の巻」が詳しいです。

● 世界各国のベーシックな情報は、キッズ外務省の「ワールド・ジャンプ」でわかります。私の「ベルリン便り」「メキシコ便り」も、そんなかたちで使われてたら、ネチズン冥利に尽きますね。 もっともアメリカ国家安全保障局の情報監視システム「エシュロン」は、これら全体を監視し盗聴しているはずですが。

護憲・活憲・知憲・論憲・加憲・創憲・改憲  自衛隊イラク派兵によって、日本国憲法第9条「1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とのギャップは、グローバル化する国際社会のなかで、いよいよ明白になってきました。国会では衆議院参議院にも憲法調査会がつくられ、2005年に 衆院参院の報告書が出されました。それを受けて、真打ち自民党新憲法草案も登場。映画「日本国憲法」も、「中高生のための憲法教室」もありますよ。携帯端末でも憲法を読めるというサイトも。

● まずは世界の憲法をながめてみましょう。ドイツの「International Constitutional Law」 、アメリカ・リッチモンド大学のConstitution Finderなどで英文で見ることができます。「戦争放棄」は1791年フランス憲法や1928年不戦条約にまで遡ること、前文の「平和的生存権」や第二項「戦力放棄」は画期的で、軍隊のないコスタリカパナマ憲法等にも影響を与えたこと、だからアメリカのオーバービー教授は「日本国憲法にノーベル平和賞を与え、地球憲法に」と述べ、太田光・中沢新一さんが「憲法第9条を世界遺産に」と提唱していることがわかるでしょう。

● 日本国憲法については、「日本国憲法を読もう」をはじめ、いくつかのサイト全文が出ています。まずは虚心に音読しましょう。国会図書館の「日本国憲法の誕生」には、1943年カイロ宣言以下、憲法制定過程の膨大な重要資料が概説つきで掲載されています。マッカーサー3原則原文も、GHQ草案の「第十三条 一切ノ自然人ハ法律上平等ナリ政治的、経済的又ハ社会的関係ニ於テ人種、信条、性別、社会的身分、階級又ハ国籍起源ノ如何ニ依リ如何ナル差別的待遇モ許容又ハ黙認セラルルコト無カルヘシ」も、「日本国ノ主権ハ日本国民ニ属スル、日本国ノ元首ハ国民ノ選挙スル大統領トスル」とした高野岩三郎私案も、写真入りで読めます。しかしより広い歴史的文脈では、松山大学田村譲教授「たむ・たむページ」の「憲法関連のページ」が断然オススメ。アメリカ独立宣言フランス人権宣言植木枝盛自由民権運動大日本帝国憲法との比較から、沖縄非核平和宣言PKO法まで、幅広い論点を網羅して圧巻。

●早稲田大学水島朝穂さん「平和憲法のメッセージ」など護憲派市民と憲法研究者をむすぶ憲法問題Web9条の会反改憲ネット21許すな! 憲法改悪・市民連絡会憲法会議日本国憲法擁護連合法学館憲法研究所憲法メディアフォーラム、「憲法9条・メッセージ・プロジェクト」や、論憲派市民版憲法調査会「憲法ドットコム」、「今週のマガジン9条」、「反改憲ネット21」、改憲派の「民間憲法臨調」と併せて参照すれば、主要な論点がわかります。同じ改憲でも、時代塾改憲フォーラムのように、共和制・連邦主義の立場からの主張もあります。自民党は、新憲法草案をすでに発表しています。日本経団連意見書「わが国の基本問題を考える」をはじめ、経済同友会日本商工会議所、など財界の提言も活発ですが、同友会の品川正治さんのように、一枚岩ではありません。「憲法に関する基本資料」をじっくり読み比べて検討しましょう。

● しかし、日本の世論は、護憲改憲の二択時代から、論憲が加わってイシュー化し、公明党の加憲民主党の創憲、市民たちの活憲論から廃憲論まで入り乱れ、百花斉放です。第9条改正に限ればなお「変えるべきでない」が多いのですが、長期的に見ると、改憲世論の高まりは否めません。さまざま改憲私案も出されています。現行憲法のわかりやすい現代語訳から、新しい人権まで。しかし、注意しなければならないのは改憲手続き。日本国憲法は「硬成憲法」といって、改正手続きが厳格です。そのため環境権プライバシー権を入れようとすると、第9条改正にも結びつく可能性が高いのです。日弁連日本ペンクラブなどが意見書・声明を出しましたが、2007年に国民投票法成立しました。私自身はグローバルな地球のために、国民のくらしのために、まずは現行憲法をしっかり実行し、国際社会に発信していく「活憲」の立場です。

●ネチズンとしてはまず知憲といって、日本国憲法を読み知ることが大切。「あなたはまだ憲法を知らない」という前提で、インターネットで憲法を学び、その実態を知りましょう。「モニター」や「コーナー」のリンクを辿ると、「制定直後の文部省教科書「あたらしい憲法のはなし」や大学の憲法講義まで公開されていますから、平和憲法で可能になった世界のネチズンとの交流と、自由な言論活動を味わいましょう。 

●永田町・霞ヶ関方面 ヤフーの「政治」が主として扱う、永田町・霞ヶ関方面の政治屋・お役人たちの政治情報は、ビジネス情報と同じで、21世紀から再編された各官庁や、各政党が、それぞれホームページの充実を競いあっています。政党支持率内閣支持率のデータもたちどころにとれますよ。自民党のサイトよりも、民主党共産党のサイトの方が、やっぱり充実していますね。マッド・アマノさんの「週刊パロディ・タイムズ」は、もともと森喜朗首相批判のため開設され、小泉・安倍・福田内閣批判でも、しっかり健筆をふるっています。

● インターネット上には、投票前に必須の「落選運動」HP、選挙専門サイト「Election」「国政選挙の歴史」「OVER80」などがあります。「インターネットと選挙関連リンク集」「インターネットで政治に強くなる方法教えます」あたりからが便利。「無関心党」「老人党」なんてバーチャル政党があり、現役共産党員たちの「さざ波通信」もあったりして、けっこう面白いですよ。でもせっかくですから、ただなんとなく入るんではなく、目的を持って調べたいですね。たとえば私が関心を持つ労働時間や失業率、パート・派遣労働については最新官庁統計がすぐに手に入るほか、森岡孝二さんや野村正実さんの研究サイトで本格的に学べます。政治広報センターの電子政治情報世論調査結果だってお手のものです。「ニセ首相官邸」のような超パロディページもありますからご注意を。

● 総務省の「電子政府の総合窓口」から入ると、意外と面白くイラク戦争以後重要なのが、昇格したばかりの防衛省のサイト、「大蔵」の名を変えても英語名は同じでおかたい財務省や、いかにも寄せ集めの国土交通省文部科学省なんかより、ずっと気がきいてます。国家公安委員会は、なるほど警察庁HPに間借りしてますね。あの公安調査庁だって、ちゃんとありますよ。

● 政治家サイトも盛んで、世紀末に名を下げたが自民党衰退で再び盛り返した「加藤紘一・改革の広場」菅直人「活動日誌」も再建され、国会議員はほぼ自分のサイトを持つようになりました。地方自治体公式サイトでも、宮沢賢治のイーハトーブを基調にした岩手県花巻市役所HPのようなオススメサイトがあります。

●シングルイシューと市民運動 官庁統計や白書はうさんくさい、もっと市民・底辺の視点から政治を考えたいという人には、京都精華大学に移った筒井洋一さん日本NPOセンターNPO情報ネットワークセンター、政府のNPO関係ホームページNPOサポートセンターなどから、いろいろなアプローチが可能です。老舗の「アムネスティー・ジャパン」等、皆充実しています。

● フェミニズムを考えるなら、内閣府男女共同参画室のほか、フェミニズム・女性リンク集奈良女子大の「女性問題図書目録」が役立ちます。明治学院大学加藤秀一さんの「優生学とジェンダー」年表は圧巻です。環境問題なら鳥居さんの「 地球環境問題史」別処珠樹さん 「環境と学びのひろば 」、若者のNGO活動なら国際ボランティア・ワークキャンプ"NICE"、二重国籍承認を求める「グローバル市民権ネット」なんてのもあります。俵義文さんの「俵のホームページ」は教科書検定問題の定番サイトです。

● 地域レベルに入れば、まずは電子自治体情報で概観し、新しい福祉社会創造を唱える日本労働者協同組合連合会など、いくらでもあります。脱原発をめざす原子力資料情報室からは、原発関係の重要な情報が得られます。高崎哲学堂HPは、地域文化の新しい可能性を示していますよ。阪神大震災で脚光を浴びたボランティア活動については、安藤伸彌さんの「五輪館」のような参加記録が貴重です。

● つまり、エルゴロジーと地球市民を唱える私のお勧めサイトが、無数にあります。ちょっとした入り口がみつかると、無限に広がってどこへでも行けるのが、インターネットの強み、まさに地球市民の宇宙遊泳が可能なのです。

●政治学と国際関係 政治学の学術関係では、日本政治学会ホームページ日本比較政治学会日本平和学会政治思想学会など各種学会のほか、東大社研にSSJデータアーカイフがあり重宝ですし、東大東文研田中明彦さんの「世界と日本」データベースおよび広島大学遠矢浩規さんの『国際政治』論文名データベースは、大変有益です。

● 個別領域では、関西学院大学富田宏治さんの丸山真男研究関東学院大学林博史さんの日本現代史と戦争責任ホームページ慶應義塾大学萩原能久さんの政治哲学研究室鹿児島大学木村朗さんの「平和問題ゼミナール」などが、それぞれ得意の領域をカバーし、とっかかりになる個性的サイトです。 

● もちろんインターネットの魅力とメリットは、一瞬にして国境を超え、世界の仲間とつながること。本家のヤフーからは、世界政治学会でも、アメリカ政治学会でも、ヨーロッパ政治学会でも、レイプハルトの世界中の選挙のデータベースでも、ハンナ・アレントでも、アントニオ・グラムシでも、イマニュエル・ウォーラーステインでも、中江兆民でも河上肇でも、たちどころにOKです。アムステルダムの国際社会史研究所は、ヨーロッパ社会史研究の宝庫です。中山元さん「ポリロゴス」はこうしたアクチュアルな現代思想研究の宝庫で、岐阜大学寺島隆吉さんHPチョムスキー別館」などと共に、きわめて有益です。

● 国連でもホワイトハウスでも27か国に拡大したEUでも、ネット上では一瞬の旅です。国連オンラインは日本語でもOKです。International Constitutional Lawで世界の憲法も読めます。世界人権宣言・国際人権規約もあります。宇宙旅行のつもりが、NASACIAの最高機密にアクセスしちゃったなんてことも、ありうるのです。すでにネット上には、独立琉球国のように、いくつかのバーチャル・ミニ国家が出来ていて、沖縄や北海道は勝手に独立することもできます。

● ロシア・ソ連ものなら、北大スラブ研究センターがあり、さまざまなロシアに入れます。世界の強制収容所についての地道な活動は感動的です。

● この世界でもGoogleの台頭がめざましく、Google Scholar英語版日本語版に続いてGoogle Book Search英語版日本語版が動きだし、世界中の図書館所蔵の文献が中身に立ち入って読めるようになりました。著作権切れの文献は、無料でダウンロードも可能です。

●社会科学・人文科学 隣接分野では、社会学なら定番野村一夫さんの「ソキウス」 や首都大宮台真司さんのサイトがあります。東京経済大学渡辺潤さんの「珈琲をもう一杯」や早稲田大学山本武利さんらの「20世紀メディア研究所」はコミュニケーション論・メディア論の宝庫です。後者から入る占領期雑誌記事索引データベースや、国立公文書館外務省外交史料館防衛省防衛研修所の第一次資料をスキャナー画像で閲覧できる「アジア歴史資料データベース」は博士論文作りの宝庫です。

● 法学ならリーガル・リソース、早稲田大学水島朝穂さんの「平和憲法のメッセージ」があり、埼玉大学三輪隆さんらは、国会憲法調査会の向こうを張って市民と憲法研究者をむすぶ憲法Web」を立ちあげました。関西大学栗田隆さんOpen University、明治大学夏井高人さんの法情報学HP、などが充実し、日本国憲法だって、和文・英文で読めます。法律条文を探すなら法庫へ。

● 社会福祉なら東京大学武川正吾研究室、歴史学なら鵜飼政志さんの「歴史学関係リンク集」歴史データベース、京大永井和さんの日本現代史序説講義ノート、西洋史の東京大学近藤和彦さんHP、朝鮮近代史の京都大学水野直樹さんHP、英語ではアメリカ合衆国議会図書館各国研究、哲学なら跡見女子大神山伸弘さんのヘーゲル研究HPや静岡大学の「人間学大講座」、心理学なら新潟大学碓井真史さんの「こころの散歩道」、経済学なら"Acamac Homepage"として今やグローバル・スタンダードの愛媛大学赤間研究室などに、それぞれ充実したサイトとリンクがあります。理論研究には拓殖大大石高久さんのHP、大阪市立大学塩沢由典さんの複雑系HPも、なかなか充実してますよ。環境経済学なら早稲田大学栗山浩一研究室のように、個別領域も充実してきました。

● ちょっと息抜きに社会科学を離れれば、福島比呂子さんの有名なヴァージニア・ウルフ・ウェッブ・サイト、日本文学史の岐阜大根岸泰子さんHP日本大学紅野謙介さんHPもお勧めです。予備校教師のPyonPyonさんHPなどは個性的で、立派な教育学HPです。

● インターネット上に開設された人間総合科学大学も、一度覗いてみましょう。そこにはもちろん「夢と逆夢」が共存しており、本ネチズン・カレッジは、その夢を現実に近づける試みです。 

●研究リソース・ツール 無論、国会図書館の文献検索が可能です。国会図書館では書誌情報WEB-OPACで昭和23年以降の和書検索が可能になりました。明治期の書物13万冊は「近代デジタルライブラリー」で、ほぼデジタル化されました。「国会会議録検索システム」もあって、過去に遡って議事録を読めます。鶴見大学長谷川豊祐さんの「図書館員のためのインターネット」は研究にも便利。「Academic Resource Guide」「データベース集成」を使いこなせるようになれば、ウェブ研究者として一人前。だ

● 洋書ならグローバル・バーチャル書店「アマゾン」「アマゾン・ジャパン」、和書なら「紀伊國屋書店」「本をさがす」がありますし、古本でも「日本の古本屋」や「スーパー源氏」、「愛書家ホームページ」から入ると、一発検索・発注できます。最近は日本の出版社もホームページに力をいれており、岩波書店HPのように雑誌『思想』の巻頭言「思想の言葉」を読めるHPもあれば、私の愛好する窓社花伝社のような小出版社こそ、HP上で威力を発揮します。皓星社のホームページには、同社の刊行する『日本人物情報体系』『雑誌記事索引集成』等のデータベースが公開されていて研究に重宝です。

● もちろん国立公文書館外務省外交史料館も、HPを公開しており、防衛庁防衛研究所資料と共に、最近はスキャナーで、第一次資料をアジア歴史資料センターからダウンロードできるようになりました。。国立大学独立法人化問題については、全大協近畿やが定番サイトです。研究ツールとして、文部省国立情報学研究所の電子図書館もあり、もちろん大学院生・若手研究者必見の「研究職公募情報」の入手も可能ですが、登録制になって不便になりました。Book Parkサービス博士論文オンデマンド出版は東大・京大など全国をカバーし、日本での先駆的試みですが、世界で急速に広がっているのは大学の機関学術リポジトリ大学ランキングISI=トムソン社の引用索引の競争世界です。

●  現代史資料の宝庫米国国立公文書館(NARA 2)では、2008 年8月14日から第二次世界大戦時戦略情報局(OSS)に関わった2万4千人の個人ファイルが機密解除され、その履歴書・職務や給与の公的記録が公開されました。もっともOSSは戦後CIAの前身だから、対外エージェントやスパイの正体が暴かれた、とするのは早合点。私の『象徴天皇制の起源 アメ リカの心理戦「日本計画」』(平凡 社新書、2005年)の目玉の一つですが、OSSは、当時のアメリカにおける最高の知性、反ファシズムの科学者・研究者、ナチスに追われた亡命ドイツ人、日本軍国主義に反対する在米日本人・日系人らを広く集め、ナチスや日本軍とたたかいましたから、ポール・スウィージーのような米国マルクス主義者、フランツ・ノイマンのようなナチスを解剖した社会学者、ジョー小出や藤井周而のようなすぐれた軍国日本批判者をも抱え込んでいました。レオンチェフの産業連関表、パーソンズ=シルズの社会システム論、ロストウの近代化論の原型がそこで創られ、20世紀後半のアメリカの世界支配を可能にした地域研究、社会心理学や人類学・民族学の隆盛を下支えした、というのが私の仮説。事実、多くの社会科学者・歴史学者のOSS勤務記録を見つけることができました。その一人、戦後日本の財閥解体・独占禁止法制定の立役者エレノア・ハドレー女史の記録などは、大変充実したものでした。2007年機密解除FBI及びCIA個人ファイル米国陸軍情報部(MIS)作成個人ファイル からも多くの収穫があります。米国国立公文書館のホームページや、私の『象徴天皇制の起源 アメ リカの心理戦「日本計画」』、昨年刊行した花伝社 論集『情報戦の時代ーーインターネットと劇場政治』、『情報戦と現代史ーー日本国憲法へのもうひとつの道』等々をご参照下さい。

● 学部学生には、大阪教育大学田中ひかるさんホームページ「本の読み方」がオススメ、卒業論文準備中の皆さんには「明日のための卒論マニュアル」も入ってます。インターネット上では、エンサイクロペディア・ブリタニカが広告付きでデジタル百科事典を公開しましたが、日本にも電子ブック閲覧室「私の仕事部屋」があり、「人名録」「研究者総覧」もありますよ。外国語なら「翻訳のためのインターネットリソース」から、あらゆる言葉に対応する究極のGoogle「言語ツール」、便利ツール「国語辞典」なんてのもありますね。企業サイトでも、「電通古今東西広告館」や教科書図書館「東書文庫」など、研究にも役立ちます。一橋大学の私のゼミでは、卒業生全員の了解を得た上で、北海道大学文学部宮内泰介ゼミナール「社会学の部屋」などの先進例に学び、学士論文全文をインターネット上に公開しています。

●過労死とエコマネー しかし、私自身の研究の関心は、残業拒否で解雇をも辞さぬ日本型企業社会、単身赴任や家庭崩壊、過労自殺につながる過労死110番を必要とする社会にあります。私のHP論文「過労死とサービス残業の政治経済学」「日本人の勤勉神話ができるまで」は、なんとILO(国際労働機構)の公式サイトに、ロブ・スティーヴンとの共著『日本資本主義はポスト・フォード主義か?』が「労働」研究参考文献として挙げられ(Kato でなくTetsuroで載ってます)、そこから派生して「労働ストレス」国際研究ネットに組み込まれたらしいのです。これらを見る際は、過労死弁護団「過労死110番」を、ぜひ参照してください。

● 「働くもののいのちと健康を守る全国センター」「労働衛生管理の手引き」で予防措置も。大野正和さんの「過労死・過労自殺」研究サイトが充実。本カレッジ国際交流センターでも、英語・独語で読める"KAROSHI" サイトと、"Karoshi Hotline" National Networkを紹介しておきました。

● 労働への関心からは、厚生労働省HP労働政策研究・研修機構法政大学大原社会問題研究所、労働運動の『Workers』「レイバーネット・ジャパン」などが、さしあたりの足がかりになります。社会経済生産性本部の「働くことの意識調査」からは、労働者意識の長期的変化が読みとれ、本カレッジの全国8大学学生政治意識調査と共通する設問があります。リストラやセクハラに困ったら、正社員でなくても「首都圏青年ユニオン」に駆け込みましょう。

● 日本的「会社」こそ、ミヒャエル・エンデ『モモ』の「時間泥棒」だったことが、よくわかります。「ミヒャエル・エンデ館」に入ると、晩年のエンデは、過労死社会の対極に、根源的に「お金」の意味を問う新しい経済・金融システムを構想していました。「地域通貨」とか「ローカルマネー」とか「LETS」ともいわれる「エコマネー」については、たとえば宮沢賢治の「風の森」や地域通貨の「Miguelの哲学広場」をみるだけでも、イメージがわきますね。北海道大学経済学部西部忠さんHPの理論とリンク集が参考になります。

●沖縄から世界へ もう一つ、世紀末からはまっているのが、オキナワ。別にサミット開催地だったからではありません。むしろ現代史研究の焦点としてです。まずは沖縄県平和祈念資料館「平和の礎」に行きましょう。たとえば田中宇さんの「沖縄の歴史から考える」には、かつて中国明朝時代の文献で「大琉球」とよばれた沖縄と「小琉球」とよばれた台湾の、今日まで続くつながりが語られています。沖縄から別の世界が見えてくるのです。ネット上には独立琉球国もあります。

● JCA−NET の討論は新鮮です。ニュースは、二大地元紙『琉球新報』『沖縄タイムス』でフォローできます。1956年夏「島ぐるみ闘争」時の「第二次琉大事件」の当事者嶺井政和さんの回想録「私記・琉大が燃えた日」は、ネット上の「ゆうなの木」HP内にあります。抑えた筆致ですが、感動的な文章です。沖縄情報センターに入ると、現在の問題点がうかびあがります。

● もちろん、沖縄インデクス、沖縄マガジン『週刊ウルマ』『週刊レキオ』等からグルメや伝統芸能の旅に出られますし、かの喜納昌吉&チャンプラーズ公式サイトに入ると、こんな言葉がトップに現れます。「すべての武器を楽器に、すべての基地を花園に、戦争よりも祭りを、すべての人の心に花を!」

●左翼情報・右翼情報 インターネット上では、ヨーロッパ中心に生き残る社会主義インターナショナルばかりでなく、カール・マルクス文献も、健在です。イギリスの"New Left Review"とアメリカの"Monthly Review"というアングロサクソン左派の2大理論誌や、I・ウォーラーステインらの"Journal of World-Systems Research"もネット上で読めます。東京経済大学山崎カヲル教授の研究室は、日本の先駆的なラディカルサイトで、世界の批判的な政治情報・社会運動情報の宝庫です。ベ平連出身の栗原幸夫さんHP「ホイのホイ」吉川勇一さんホームページと共に、ネット上での社会運動を組織しています。

● 社会主義理論学会など左翼サイトもあり、海外との連帯ではPARCの名で世界に知られるアジア太平洋資料センターPP研の名で知られるピープルズ・プラン研究所があります。良心的な文学サイト「葦牙(あしかび)」も、自前のホームページを持っています。宮地健一さんの「共産党・社会主義」サイトはこの筋の定番。御本家「コムインターネット」「アナーキー・いん・日本」などにも、左翼情報が満載されています。川上徹さんたちの「コレコン」は、20世紀日本左翼の宿痾を想起させます。

● 右派なら、世界日報国際勝共連合のほか、靖国神社に参拝できます。問題の「新しい歴史教科書をつくる会」、藤岡信勝センセイの「自由主義史観研究会」のほか、「日本会議」「狂気乱舞」もあり、「蓑田胸喜の時代」なんてのもあります。差別用語むきだしの不気味なチャットもあって、すごいヒット数です。

●団塊の世代の息抜きのために インターネット世界では「シニア」どころか「老人」になるらしい「団塊の世代」向けには、「ネットワークは力である」と標榜する野口悠紀雄On Line立花隆「シェ・タチバナ」のような定番ビッグサイトがあります。

● しかし、私の好みからすれば、すでに100ヒットに近い前述有田芳生さん「酔醒漫録」、宮崎学さんの「突破者ページ」、、高野孟さんの東京万華鏡、自民党をとびだした白川勝彦さんHP、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」猪瀬直樹さん「日本国の研究」粉川哲夫さんのPolymorphous Space、れんだいこさんの「人生学院」なんかの方が、面白くなつかしいですね。

● いずれにせよ、自分でネットサーフィンして、自分なりの定番サイトをブックマークするのが早道です。私は、各国の友人たちの研究室を覗くために、ときどきバーチャル世界旅行に出かけます。たまには自分の小中高校時代の同窓会ネット「この指とまれ」や「全国温泉案内」、うたごえの店「ともしび」などを覗いて息抜きし、 「青空文庫」で小説を楽しみ、夢二オンラインを見て、かつて岡田桑三が手がけた「Tokyo Cinema on the web」でミクロの映像美を堪能しながら、楽しい老後を夢見ることもできます。まさにインターネットのバーチャル宇宙は、地球市民社会へと向かうユートピアやドリームを喚起するさまざまなファンタジーの交差する場であり、21世紀のイマジネーションの豊かな源泉なのです。


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