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ある政治学者のホームページ奮戦記――わが家のできるまで、できてから(2022年1月ー12月

経済衰退・軍事大国化への道を食いとめないと…

●2022.12・1   年を重ねると、時の流れが速くなります。2月に始まったプーチンのウクライナ侵略戦争は、ウクライナのエネルギー・暖房施設を狙い撃ちにし、女性やこどもを寒風のもとにさらして戦闘を越冬しようとしています。だからとりあえず停戦・休戦すべき、もともとロシアにもNATO拡大に対する恐怖とロシア系住民保護の「大義」があったのだという意見もありますが、旧ソ連のスターリン主義やコミンテルン型共産主義を批判してきた私には、プーチンの言い分を認める余地はないと思えます。国連安保理でロシアの戦争や北朝鮮のミサイルに対する非難決議をことごとくガードする中国政府の態度も、国内での香港や新疆ウィグル地区での言論弾圧、直近の「白紙革命」への抑圧と共に、世界の分断を深刻にしています。

● かといって、ウクライナ戦争での国際的エネルギー危機や米中対立の台湾危機、それに北朝鮮の核保有とミサイル攻勢を強調し煽っての、敵基地攻撃(反撃)能力と防衛費倍増をめざす日本政府の国家安全保障政策は、全く賛成できません。経産省主導の原発寿命延長や新規増設案にいたっては、ウクライナの原発危機に照らしても、全くの時代錯誤でバックラッシュです。安倍晋三元首相の銃撃死で明るみに出た、政権与党と統一教会など宗教右翼との構造的癒着、日銀の無策と物価高で国民生活を直撃する経済危機、世界市場の中で突出した長期低賃金・経済衰退、アベノミクスによる「日本沈没」への道を、なんとか食い止めなければなりません。イーロン・マスクの日本ツイッター支配や東京都立大での教授襲撃事件などを見ると、この国でも「白紙革命」が必要になるかもしれません。

● 中国の3年にわたる「ゼロ・コロナ政策」は、中国共産党の習近平独裁と結びついて、民衆の不平不満による怨嗟の的になってきました。1989年の天安門事件は、胡耀邦元総書記の死をきっかけに始まりました。江沢民元国家主席の死は、果たして何らかの変化をもたらすでしょうか? 私の病気療養中の最大の成果は、小河孝教授との共著『731部隊と100部隊』(花伝社)で示唆した、「防疫」政策と「防諜」政策の歴史的リンク、コロナ禍を旧内務省と軍部の創り出した医療とインテリジェンスの合体から見る視点の獲得でした。5月の連休後に見つかった健康上の問題と大きな二度の手術・入院から、その後の静養・リハビリによって、ようやく仕事に復帰しつつあります。年内は遠出を控えますが、都心の研究会にも徐々にですが出席しています。この半年、執筆も講演もお断りしてご迷惑をおかけしましたが、来る2023年の仕事は、懸案のO・マシューズ『ゾルゲ伝』翻訳他、いろいろな皆様の御協力を得て、現役復帰をめざします。

● 私が代表をつとめる「尾崎=ゾルゲ研究会」の11月7日(月)午後、愛知大学東京霞ヶ関オフィスでの正式発足が、みすず書房からの4冊のシリーズ刊行案内とともに、発表されました。117日月曜日14時より「尾崎=ゾルゲ研究会」設立会合とそれを記念して、1017日みすず書房より刊行されたA・フェシュン編『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(名越健郎・名越陽子訳)をめぐる、フェシュンさんと名越健郎さんとの座談会を、愛知大学東京霞ヶ関オフィス(+リモート)で開催しました。

https://www.msz.co.jp/news/event/09514-ozaki-sorge/

https://www.msz.co.jp/book/detail/09514/

https://www.msz.co.jp/news/topics/09514/ 清水亮太郎「ゾルゲ神話を越えて」

「蘇るスパイ・ゾルゲ」『週刊朝日』11月11日号

   

● 獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)が刊行されました。『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人でした。片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。本サイトの更新も、まだまだ不安定ですが、カレッジ日誌(過去ログ) の方から、論文やyou tube 講演記録をご参照ください。

日本を沈没させた安倍政治との訣別を!

●2022.11・1

11月7日は、1944年に尾崎秀実・リヒアルト・ゾルゲが国防保安法違反他の戦時治安立法により死刑に処された日です。この日に私たちは「尾崎・=ゾルゲ研究会」を発足させます。それが、現在闘病・リハビリ中の私にとっては、現場復帰の第一歩になります。

『ゾルゲ・ファイル 1941-1945』出版記念・「尾崎=ゾルゲ研究会」設立記念 

座談会(アンドレイ・フェシュン/名越健郎)開催

https://www.msz.co.jp/news/event/09514-ozaki-sorge/

https://www.msz.co.jp/book/detail/09514/

https://www.msz.co.jp/news/topics/09514/ 清水亮太郎「ゾルゲ神話を越えて」

「蘇るスパイ・ゾルゲ」『週刊朝日』11月11日号

11月7日(月)14:00-16:30 愛知大学東京霞ヶ関オフィス+リモート

● 私が代表をつとめる「尾崎=ゾルゲ研究会」の11月7日(月)午後、愛知大学東京霞ヶ関オフィスでの正式発足会の案内が、みすず書房からの4冊のシリーズ刊行案内とともに、発表されました。ZOOMでのリモート参加も可能ですので、ご関心のある方はどうぞ。

● 秋雨の候、日増しに寒いこの頃でございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

OS(尾崎=ゾルゲ研究会)通信創刊準備号02をお届け致します。また、先に予告申し上げており
ましたように、来る117日月曜日14時より「尾崎=ゾルゲ研究会」設立会合とそれを記念して、1017日みすず書房より刊行されますA・フェシュン編『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(名越健郎・名越陽子訳)をめぐる、フェシュンさんと名越健郎さんとの座談会を、愛知大学東京霞ヶ関オフィス(+リモート)にて、開催致します。

お時間許しましたなら、是非ご参加頂きたく、ご案内申し上げます次第です。

以下よりお申し込み頂けますと幸いです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfgzpMgAEJTjhzEjTGI4I27v5KOUMisBaeAR0ALGFRgSCuu4w/viewform?usp=pp_url 

時節柄、くれぐれもご自愛くださいますよう。

尾崎=ゾルゲ研究会準備会事務局


11.1● 日本政治の腐敗は、底が知れません。泥沼みたいです。世界市場は正直です。米ドルに対する円の価格は、2022年初が115円、私が入院する前の5月が130円、それがいまや150円です。政府の為替介入も焼け石に水です。国連やOECDの国際統計は、おおむね米ドルベースで表示されます。日本の国際的地位は、一人あたりGDPも実質賃金も社会保障や福祉の水準も、大暴落です。おそらくGDPもドイツやインドに追い越されますから、かつての「経済大国」からの退却です。20世紀のイギリスが経験した、「日没国家」への衰退です。少子高齢化は進み、教育も医療も生活保障も切り詰められます。外国人にとっても、アニメと観光以外では魅力のない国になりつつあり、底辺労働は、老人と非正規日本人雇用でまかなわなければなりません。

● 21世紀の日本の政治が、この国の今をかたちづくりました。元凶は、自民党政治です。しかもアメリカや統一教会とも結びついた売国政治です。安倍晋三が君臨した2010年代こそ、その典型でした。売国とは、2重の意味です。安全保障と外交戦略を日米同盟に委ねて自主的交渉力を育むことができず、国内政治の多数支配維持のために、韓国のカルト集団に選挙支援を受け政策協定さえ結ぶ自民党議員が多数いました。改憲・防衛力増強、家庭政策やLGBTQを否定する保守的・家父長的政策で一致していました。岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と続く国際勝共連合・統一教会人脈が21世紀の自民党内で支配的になり、国家の政策を動かすようになりました。リーマンショック後の「アベノミクス」という名の経済政策は、第一の矢と称した金融緩和・株価維持政策だけが突出し、第二の財政はそれに従属して世界一の財政赤字を恒常化し、第三の成長政策も名ばかりで、新規産業投資にも賃上げにもまわらない大企業の内部留保500兆円を増やしただけで、実質賃金は伸び悩み景気は低迷、貧困層が増え生活格差は広がる一方でした。

● 日本を取り巻く国際環境も変化しています。もともと20世紀の最後の10年には、旧ソ連の崩壊、東欧諸国の民主化、EUの拡大、中国の改革開放スタートアップ等が、湾岸戦争とアメリカの中東介入に併行していました。米国一極支配か多極化・多元化かが不明確なもとで、日本はひたすら日米同盟へと旗幟を鮮明にしました。それが、米国発のリーマンショックの頃から、隣国中国の台頭もあって、日本自身の在り方を脅かすことになりました。安倍晋三の長期政権が、民主主義破壊の独裁的指導者プーチンやトランプに取り入り、何とか「経済大国」の地位だけでもキープしようとしていた間に、EU諸国も、中南米も、アフリカ諸国も独自の成長を遂げました。米国と組めば何とかなると思っていたらしい「日没国家」日本は、存在感を失ってきました。急成長する大国インドを含むアジアの国々から、自国の成長と中国の影響力増大が相まって、停滞する日本への新たなまなざしが生まれてきました。低賃金外国人労働力として日本に「出稼ぎ」にくるのは、もはや中国でもフィリピンでもインドネシアでも、ブラジル等中南米諸国の日系人でもなく、今はベトナムとネパールの苦学生ぐらいになりました。産業構造の転換もできず、政権党政治家への票も不動産も「爆売り」するインバウンド「観光立国」への転身こそ、「アベノミクス」の所産であり、帰結でした。やがて確実に第八波がやってくるコロナ・ウィルスへの無為無策は、「ミゼラブル・ジャパン」を増幅しただけでした。

   

● 獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)の刊行だけは、何とか仕上げました。『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人でした。片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。本サイトの更新も、まだまだ不安定ですが、カレッジ日誌(過去ログ) の方から、論文やyou tube 講演記録をご参照ください。

かと本学には、以下のようなセクションがあります。学びを志す方は、 どちらのドアからでも、ご自由にお入り下さい。

「安倍晋三の時代」こそ、葬られるべきです!

●2022.10・15 私が代表をつとめる「尾崎=ゾルゲ研究会」の11月7日(月)午後、愛知大学東京霞ヶ関オフィスでの正式発足会の案内が、みすず書房からの4冊のシリーズ刊行案内とともに、発表されました。ZOOMでのリモート参加も可能ですので、ご関心のある方はどうぞ。 ● 秋雨の候、日増しに寒いこの頃でございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

OS(尾崎=ゾルゲ研究会)通信創刊準備号02をお届け致します。また、先に予告申し上げており
ましたように、来る117日月曜日14時より「尾崎=ゾルゲ研究会」設立会合とそれを記念して、1017日みすず書房より刊行されますA・フェシュン編『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(名越健郎・名越陽子訳)をめぐる、フェシュンさんと名越健郎さん、名越陽子さんとの座談会を、愛知大学東京霞ヶ関オフィス(+リモート)にて、開催致します。 お時間許しましたなら、是非ご参加頂きたく、ご案内申し上げます次第です。

以下よりお申し込み頂けますと幸いです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfgzpMgAEJTjhzEjTGI4I27v5KOUMisBaeAR0ALGFRgSCuu4w/viewform?usp=pp_url 

時節柄、くれぐれもご自愛くださいますよう。

尾崎=ゾルゲ研究会準備会事務局

10.1●  9月27日の安倍晋三元首相の「国葬」は、案の定、醜いものでした。なにしろ国民の6割が反対しているもとで、多額の税金使っての強行です。招待者の4割は欠席で、故人を讃える岸田首相の美辞麗句は、空しく聞こえます。弔問外交とやらも、直前のイギリスの国葬と比べれば明らかにみすぼらしく、G7首脳不在で、今日の日本の国際社会における衰退を示すのみで、ほとんど成果がなかったようです。というよりも、モリカケサクラは国内問題で「外交の安倍」などといわれていましたが、実はその目玉だったロシアのプーチンとの関係は、北方領土問題で大幅な後退、米国との関係ではオバマ民主党よりもトランプ共和党で、宗教右翼をバックにした米国民主主義の破壊者とウマがあっただけでした。安倍晋三と最も親しかったプーチン、トランプの欠席は、「安倍外交」の無力を象徴しています。隠れた主題であった北朝鮮との関係では何の進展もなく、隣国韓国や大国化した中国との関係では、その旧守的歴史認識のゆえに、摩擦を深めるばかりでした。 ● 故人が最後まで「誇り」としたらしい「アベノミクス」は、1ドル=145円の為替相場と物価高・生活苦の前で、無残な成績表を示しました。独立法人である日銀を政府の「子会社」化して貨幣・国債を刷り続け、一部大企業の内部留保は増えても新産業への投資は進まず、中小企業はコスト高・円安で苦しみ、何より労働者の実質賃金は上がらず、貧困層は増えるばかりでした。円安で国際統計上のGDPや賃金はさらに小さくなりますから、世界市場での存在感は、失われてゆきます。安倍晋三の長期政権とは、日本経済を世界の成長からおきざりにし、日中の交渉力を逆転させるものでした。「安倍晋三総理の時代」こそ、この国が、いまこそ葬るべき歴史です。もともと安倍派=清和会と対立する池田・大平派の流れを汲む宏池会の岸田文雄が、暗黒の安倍政治を引き継ぐと誓った「国葬」の姿こそ、統一教会や神道政治連盟、日本会議に侵食された右翼自由民主党の現在地です。内閣支持率は、3割を切る危険ラインです。岸田内閣は、はやくもレームダックです。 ● レームダックは、内閣だけではないでしょう。この間次々と明るみに出たのは、安倍晋三暗殺の背景にあった統一教会・勝共連合と自由民主党の癒着、とりわけ安倍晋三と祖父・岸信介、父・安倍晋太郎の役割です。安倍派=清和会が、統一教会等宗教的右翼票を差配し、21世紀の自公政権のトップを決める中心にあったのです。行政権ばかりではありません。現衆院議長の細田博之は、第10代会長安倍晋三の前の、第9代清和政策研究会会長でした。彼が現在の立法府の長で、統一教会に極めて近い政治家でした。いま東京オリンピック汚職で事情聴取まで行っている森喜朗は、清和会の第4代・6代会長です。自民党内の派閥の流れでは、文教政策や家族政策、女性政策で保守的・復古的でイデオロギー色が強いグループが、21世紀の日本政治を牽引してきたのです。民主主義政治の閉塞です。 ● 統一教会とは、開祖である文鮮明が1952年に経典「原理原本」の草稿を完成した、韓国生まれの宗派です。19545月、「世界基督教統一神霊協会」として創設されました。つまり、朝鮮戦争、東西冷戦の本格化、アメリカのマッカーシズムと同時でした。韓国では「反共法」下の朴正?と結びつき、日本では60年安保闘争を経験した岸信介、笹川良一、児玉誉士夫ら右翼勢力が中心になって、1968年に「国際勝共連合」が作られ、アメリカにも進出しました。その 特異な教義から、日本の教会・信者は、韓国の本部への献金組織・集金マシーンになりました。霊感商法や集団結婚式で悪名を馳せ、カルト教団として幾度も問題になりましたが、1990年代にオウム真理教がクローズアップされるなかで、次第にマスメディアからはフェイド・アウトしてきました。それが、2022年7月参院選挙中の統一教会信者家族の二世による安倍晋三への個人テロで、政局を揺るがす大問題になりました。「国葬」から統一教会問題へ、「安倍晋三の時代」の負債を背負っての岸田政治の混迷は、まだまだ続きます。
● ウクライナの東部・南部4州が、プーチンのロシアに編入されたというニュースです。民主主義のかけらもない、銃剣で強制された「住民投票」を口実にした、戦時火事場泥棒、帝国主義侵略です。本当はこの問題を深めたいのですが、現在の私の健康状態では、ロシア関係の資料のある書庫を使えず、本格的検討はできません。第二次手術を9月に終えて、ようやくシャワーから湯船での入浴が許されましたが、書斎と書庫を使えない階段昇降禁止・重い荷物禁止は10月末まで続きます。週2回、国分寺市から理学療養士の方が来てくれて、本格的リハビリが始まりました。といっても、ベッド上と室内だけです。10月に、みすず書房からA・フェシュン編『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』という画期的な資料集が刊行されて、私たちが昨年から準備し、『毎日新聞』学芸欄のインタビューで予告してきた「尾崎=ゾルゲ研究会」の活動が、本格的に始まります。11月7日(月)午後には、これまで未公開だったゾルゲのモスクワ宛て電文等200点以上の内容を踏まえて、編者のフェシュンさんと訳者の名越健郎さんの対談を目玉に、尾崎=ゾルゲ研究会が、正式に発足します。東京・霞ヶ関の愛知大学霞ヶ関オフィスで開催する予定で、私はそれに出席できるように、体力回復とリハビリに努めます。   
  ● 獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)の刊行だけは、何とか仕上げました。『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人でした。片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。本サイトの更新も、まだまだ不安定ですが、カレッジ日誌(過去ログ) の方から、論文やyou tube 講演記録をご参照ください。

統一教会の広告塔・安倍晋三の国葬に反対します!

2022.9.1 ミハイル・ゴルバチョフが亡くなりました。彼が民主化を進め、志し半ばでクーデタにより挫折したソ連邦と、現在プーチンが再興をはかっている帝政ロシアは、異なるものです。にもかかわらず、プーチンは共産党独裁下で育った諜報員であり、指導者独裁の一点では、見事に帝政からソ連、現代へとつながります。共産党独裁は、社会主義・共産主義という表層のイデオロギーとは別に、個人独裁・英雄崇拝を恒常化する橋渡しとなりました。民主集中制というその組織原理が、独裁に親和的だったのです。

● ウクライナでは、ザボリージャ原発が電源喪失寸前までいって、それを非難されたロシアは、国連核拡散防止条約(NPT)運用検討会議で最終文書署名を拒否、NBC(核生物科学)兵器使用の危機がいっそう高まりました。 すでに発効した核兵器禁止条約(TPNW)に参加しなかった日本政府は、「核保有国と非保有国の架け橋」などと称してNPT会議にのぞみ、「唯一の戦争被曝国」の証しを首相演説で示そうとしました。実際には何の役割も果たせず、核をめぐる国際社会の笑いものになっています。それを意識したか否かはともかく、岸田内閣の突然の原発再稼働・次世代原子炉開発への政策転換には驚きました。安倍晋三でさえできなかった原発依存・防衛費拡大へのバックラッシュです。

● 療養生活の中で、テレビを見る機会も多かったのですが、元統一教会と自民党の癒着には、あきれるばかりです。もう半世紀も前のこと、大学に入学してすぐに、高校の先輩からMRA(道徳再武装運動)というサークル風運動に誘われました。大きな劇場での、怪しげな反共演劇でした。そして同じ頃に、キャンパス内では、原理研究会と論争になりました。あまりにしつこく誘うので、サタンとは何か、唯物論とは何かとか、青臭く議論しました。その原理研究会が統一教会の学生組織で、政治組織が国際勝共連合であることは、普通の学生にも、よく知られていました。その渋谷の本部が岸信介邸の隣であることは、しばらくして知りましたが、ベトナム戦争に反対する学生たちにとって、原理研=勝共連合が南ベトナム傀儡政府を操るアメリカ帝国主義の別働隊であり、佐藤栄作政府と共に、北ベトナムを侵略する側にあることは自明でした。こうした記憶は、いまや老人たちの中にしか残されていないようです。

● それにしても、統一教会=勝共連合は、実に粘り強く、周到に、自民党の中枢に潜り込んだものです。長崎大学学園正常化有志会から元号法制化の地方自治体決議を通じて自民党に浸透し、いまや憲法改正の最前線部隊になった日本会議と重なる、右翼国民運動の一翼です。この半世紀で、岸信介・安倍晋太郎・安倍晋三の「勝共」3代政治家を広告塔にして 、日本政治の堕落が進んだのです。統一教会・文鮮明の教義の出発点にある、アダム国=韓国とエヴァ国=日本の異常な関係性の問題はカッコでくくったまま、何よりも共産主義撲滅、家父長制温存で、他の保守的宗教や日本会議と手を組み、選挙での運動員派遣や票割り、教会員の地方議会進出で、政治の右傾化を産みだしてきたのです。この反社会的組織を、安倍晋三銃殺事件を機に、どこまで解明し追及することができるか、国際社会で存在感を失い、立憲政治から離れつつある日本政治の分水嶺です。

● 5月からの健康問題が、6−7月の第一次入院・手術で大きなヤマを越え、なんとか延命して、9月の心臓病第二次手術を目前にしています。さらに年内に第三次手術も予定しているため、すべての執筆・講演等はお断りしています。獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)の刊行だけは、何とか仕上げました。 夏ももう終わりです。発病前に頼まれ、夏休みが締めきりであった著作や論文はすべて中断で、関係者・出版社の皆様には、大変ご迷惑おかけしました。おわびいたします。

● 戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人でした。片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。本サイトの更新も、まだまだ不安定ですが、カレッジ日誌(過去ログ) の方から、論文やyou tube 講演記録をご参照ください。昨年から予告してきた、尾崎=ゾルゲ事件研究会については、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。この11月7日(月)に予定されている尾崎=ゾルゲ事件研究会設立総会のみ、なんとかベッドから抜け出して出席できるようにすることが、当面の療養生活とリハビリの獲得目標です。

ウクライナでのNBC(核生物化学)戦争と、安倍晋三の国葬に反対します!

かと  2022年8月1日 しばらくぶりの更新です。この間、ウクライナ戦争も、参院選自民党圧勝も、安倍晋三への統一教会家族による個人テロも、ごく最近のコロナウィルス感染の第7波も横目で見ながら、ひたすら自分自身の「オーバーホール」につとめてきました。昨年末人間ドックで見つかった不具合の精密検査で、放っておくと動脈瘤破裂にいたる腹部大動脈瘤がみつかり、6月末にその除去と人工血管への置き換え手術になりました。心臓病専門病院での高度医療技術に委ねましたが、術後1週間は生死の境界をさまよう、強烈な体験でした。ようやく7月下旬に退院できましたが、この間皆様から多くの問い合わせ・励まし・お見舞いを頂き、また多くの皆様から学術著作等のご恵贈を受けましたが、個別には対応できず、大変失礼しました。退院後も、血栓・狭心症の第二次手術、前立腺がん摘出の第三次手術を行う予定で、年内は皆様の問い合わせやご要望には応えられない入退院の繰り返しになりますが、失礼のほど、ご了解ください。

かと この間の気力の支えは、昨年来、獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)の刊行でした。7月18日に横浜で予定されていた講演も小河教授に代わっていただき、なんとか8月12日発売に間に合わせることができました。

http://www.kadensha.net/books/2022/202208%20731butaito100butai.html

https://www.amazon.co.jp/731部隊と100部隊-知られざる人獣共通感染症研究部隊-加藤-哲郎/dp/4763420186

小河教授の7月18日講演も、731部隊と100部隊ー人獣共通感染症への戦争動員

https://www.youtube.com/watch?v=w-qRO3dAA4E としてyou tubeで見ることができます。

かと 政治的問題で言いたいこともありますが、ロシアのウクライナ侵略とNBC(核生物化学)兵器についてだけは、『731部隊と100部隊』第1章で述べておきました。安倍晋三の統一教会との繋がりと「国葬」その他の問題は、下記の情報サイトの紹介の範囲内にとどめておきます。

かと ウクライナ戦争の意味と終結の方向性について、世界でも、日本のリベラル・左翼勢力の中でも、大きな意見の分岐が生まれています。

● 国際的には、かたやジョン・ミアシャイマー、エマニュエル・トッド、ヘンリー・キッシンジャー、ユルゲン・ハーバーマス等を含む、米国=NATO東方拡大責任論、アメリカ帝国主義主因論、ウクライナ東部・クリミアのロシアへの移譲容認の即時停戦論、

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220413-00291294

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/052400131/

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220527-OYT1T50322/

http://www.asaho.com/jpn/bkno/2022/0502.html

https://www.murc.jp/chairman/column/col_220510/

● こなた、プーチンのロシアの国際法違反のウクライナ侵略を批判し、ウクライナ民衆の国民的抵抗こそ正義として国際的に支援、中立国フィンランドやスウェーデンのNATO加盟申請を含め、第二次世界大戦以来の世界史の転機に入ったとする帝国主義ロシア糾弾、プーチン打倒論。マルクス主義者を称するポール・メイソンやドイツ連立政権内の緑の党ベーアボック外相らが、その最前線に在ります。

http://chikyuza.net/archives/119527

https://www.jrcl.jp/wolrd_revolution/27086-1/

https://sakisiru.jp/26677

かと 私自身はプーチンのロシアによる侵略、国際法違反を糾弾して侵略戦争を止めさせる立場ですが、当初のキエフ攻略の失敗はともかく、東部ドンパスでのロシア軍の攻勢は続き、長期戦になると考えられます。

かと 日本では、例えば、かたやロシア批判を明確にする、

●醍醐 聰さんツイッターー

https://twitter.com/shichoshacommu2?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

●深草徹さんブログ  http://tofuka01.blog.fc2.com

  ●高世仁さんブログ https://takase.hatenablog.jp

●「みずき」さんブログ http://mizukith.blog91.fc2.com 

かと こなた、双方の情報戦・情報操作や歴史的事情を考慮して、ロシアを追いつめないかたちでの停戦・妥協点をも探る、

●田中宇さん国際ニュース解説 https://tanakanews.com

●「アリの一言」さんブログ https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara

●「世に倦む日々」さん  https://critic20.exblog.jp

かと 和田春樹さんらの声明や、琉球新報社説の評価が、分岐点になっています。以下のようなさまざまな意見を、時々覗いて考えていきます。

https://www.roshiashi.com/post/和田春樹会員をはじめとする有志による声明「ウクライナ戦争を1日でも早く止めるために日本政府は何をなすべきか」

https://mainichi.jp/articles/20220515/k00/00m/030/141000c

https://digital.asahi.com/articles/ASQ5B319NQ52UPQJ001.html

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1521022.html

https://twitter.com/masataka_ishida/status/1528256200499810305

http://chikyuza.net/archives/119525

https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-849696.htm

http://chikyuza.net/archives/119646

かと なお、戦争勃発で後景に退いた新型コロナウィルスの問題については、昨年夏以来、毎月2回のペースで「パンデミックと731部隊の影」の対面講演を続けてきました。多くは下記のyou tubeに入っていますので、クリックしてご笑覧ください。ここでも、ワクチン接種への態度をめぐって、第7波への対策をめぐって、大きな意見の相違が現れていますが、この点は省略します。 

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.●「2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながるーー倉内喜久雄の戦争責任」

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.●「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

ka「生き残った感染症村、ワクチン村・優生思想ー厚生省・厚生技官・医療政治と差別の問題」二木秀雄と長友浪男を事例にして、

https://www.youtube.com/watch?v=OKzwQxbwaeY

ka「感染症の世界史への日本の遺産ーー京大・戸田正三と東大・安東洪次の戦後責任」

https://www.youtube.com/watch?v=-tfhAW2mi6I

かと 『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。ゾルゲ事件関係で、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人で、片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。

ウクライナでのNBC(核生物化学)戦争に反対します!

2022年6月1日 変則的ですが、コロナウィルス下の蟄居生活で衰弱し、オーバーホールが必要になった健康上の理由で、しばらく本サイトの更新は不安定になります。7月18日夜に、横浜駅前神奈川県民ホールで予定されていた「戦争の加害展」の731部隊講演会は、主催者の「記憶の継承を進める神奈川の会」の皆さんの了解を得て、辞退しました。ただし、ちょうど獣医学の小河孝教授と共著で『731部隊と100部隊ーー人獣共通感染症への戦争動員』という書物を花伝社から刊行予定でしたので、7月18日の講演は、小河教授に代わって講演していただけることになりました。昨年から準備し、すでにチラシも1万枚以上撒いていたとのことですが、ご迷惑をかけた関係者の皆様に、お詫びいたします

かと 療養中でも、NBC戦争の危機を秘めたウクライナ戦争と、世界のコロナウィルスの広がりを追うことができるように、以下に、自分の心覚えのためのリンク集を作りました。

かと ウクライナ戦争の意味と終結の方向性について、世界でも、日本のリベラル・左翼勢力の中でも、大きな意見の分岐が生まれています。

● 国際的には、かたやジョン・ミアシャイマー、エマニュエル・トッド、ヘンリー・キッシンジャー、ユルゲン・ハーバーマス等を含む、米国=NATO東方拡大責任論、アメリカ帝国主義主因論、ウクライナ東部・クリミアのロシアへの移譲容認の即時停戦論、

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220413-00291294

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/052400131/

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220527-OYT1T50322/

http://www.asaho.com/jpn/bkno/2022/0502.html

https://www.murc.jp/chairman/column/col_220510/

● こなた、プーチンのロシアの国際法違反のウクライナ侵略を批判し、ウクライナ民衆の国民的抵抗こそ正義として国際的に支援、中立国フィンランドやスウェーデンのNATO加盟申請を含め、第二次世界大戦以来の世界史の転機に入ったとする帝国主義ロシア糾弾、プーチン打倒論。マルクス主義者を称するポール・メイソンやドイツ連立政権内の緑の党ベーアボック外相らが、その最前線に在ります。

http://chikyuza.net/archives/119527

https://www.jrcl.jp/wolrd_revolution/27086-1/

https://sakisiru.jp/26677

かと 私自身はプーチンのロシアによる侵略、国際法違反を糾弾して侵略戦争を止めさせる立場ですが、当初のキエフ攻略の失敗はともかく、東部ドンパスでのロシア軍の攻勢は続き、長期戦になると考えられます。

かと 日本では、例えば、かたやロシア批判を明確にする、

●醍醐 聰さんツイッターー

https://twitter.com/shichoshacommu2?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

●深草徹さんブログ  http://tofuka01.blog.fc2.com

  ●高世仁さんブログ https://takase.hatenablog.jp

●「みずき」さんブログ http://mizukith.blog91.fc2.com 

かと こなた、双方の情報戦・情報操作や歴史的事情を考慮して、ロシアを追いつめないかたちでの停戦・妥協点をも探る、

●田中宇さん国際ニュース解説 https://tanakanews.com

●「アリの一言」さんブログ https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara

  ● 伊勢崎賢治さんツイッター  https://twitter.com/isezakikenji?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

●「世に倦む日々」さん  https://critic20.exblog.jp  等の主張があり、

かと 和田春樹さんらの声明や、琉球新報社説の評価が、分岐点になっています。以下のようなさまざまな意見を、時々覗いて考えていきます。

https://www.roshiashi.com/post/和田春樹会員をはじめとする有志による声明「ウクライナ戦争を1日でも早く止めるために日本政府は何をなすべきか」

https://mainichi.jp/articles/20220515/k00/00m/030/141000c

https://digital.asahi.com/articles/ASQ5B319NQ52UPQJ001.html

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1521022.html

https://twitter.com/masataka_ishida/status/1528256200499810305

http://chikyuza.net/archives/119525

https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-849696.htm

http://chikyuza.net/archives/119646

かと なお、戦争勃発で後景に退いた新型コロナウィルスの問題については、昨年夏以来、毎月2回のペースで「パンデミックと731部隊の影」の対面講演を続けてきました。多くは下記のyou tubeに入っていますので、クリックしてご笑覧ください。ここでも、ワクチン接種への態度をめぐって、大きな意見の相違が現れていますが、この点は省略します。 

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.●「2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながるーー倉内喜久雄の戦争責任」

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.●「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

ka「生き残った感染症村、ワクチン村・優生思想ー厚生省・厚生技官・医療政治と差別の問題」二木秀雄と長友浪男を事例にして、

https://www.youtube.com/watch?v=OKzwQxbwaeY

ka「感染症の世界史への日本の遺産ーー京大・戸田正三と東大・安東洪次の戦後責任」

https://www.youtube.com/watch?v=-tfhAW2mi6I

かと 『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。ゾルゲ事件関係で、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人で、片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。

「生物戦の愚かな第一歩は、

日本の731部隊から始まった」 Stop the War!

 

かと 2022.5.1  ロシアによるウクライナ侵略戦争は、国際世論の圧倒的なプーチン批判にもかかわらず、続いています。首都キーウ(キエフ)はウクライナ軍と市民の抵抗で防衛できていますが、東部のハリキウ(ハリコフ)から南部のオデーサ(オデッサ)にいたる海岸線と、2014年以来実効支配を続けるクリミア半島を含む一帯で、戦争は長期化しそうです。モルドバ共和国の沿ドニエステル地方まで「ロシア化」が言われるに及んで、中立国フィンランドとスウェーデンのNATO加盟さえ日程にのぼってきました。1989年東欧革命・冷戦崩壊以来と言うより、1945年第二次世界大戦終結以来の、世界的激動です。

かと これを4月の更新では、ロシアによるNBC(核Nuckear,生物Biological, 化学Chemical)兵器使用の現実的危険とみなしましたが、今回は、この間コロナ・パンデミックを日本軍731部隊・100部隊の亡霊との関連で述べてきて、連続講演のyou tube 映像でも展開してきた延長上で、ロシアが核兵器と共に実際に使うおそれのある「BC(生物化学)兵器」にしぼって、ウクライナ戦争と日本との関わりを考えてみましょう。トム・マンゴールド=ジェフ・ゴールドバーグ『細菌戦争の世紀』(原書房、2000年)の言葉で言えば、「生物戦の愚かな第一歩は、日本の731部隊から始まった」問題です。

かと 2020年の年初から、世界は、新型コロナウィルスの脅威にさらされました。20世紀の「スペイン風邪」に匹敵する世界的大流行=パンデミックです。その感染者数が「スペイン風邪」の5億人に匹敵する規模まで広がった2022年春に、世界は新たな災禍、ロシアによるウクライナ侵略戦争に直面しました。もともと人類が共同して対処すべき地球的課題が、各国の安全保障の思惑によって、コロナウィルスへの国別検疫・感染対策が強化され分断されたところに、ロシアのプーチン大統領による新ユーラシア主義的侵略が重なって、国際法も国際連合もまだまだ弱体であることを痛感せざるをません。そのウクライナ戦争では、ロシアによるNBC(核Nuckear,生物Biological, 化学Chemical)兵器の使用準備が、危機を深刻なものにしています。しかもその中で、第二次世界大戦中の関東軍防疫給水部731部隊、軍馬防疫廠100部隊が生物兵器による細菌戦の世界史を拓いたことが、改めて注目されることになりました。

かと 20世紀に、インフルエンザの正体も分からぬまま、5億人の感染者から4000万人以上の死者を出した「スペイン風邪」の場合とは違って、その百年後の新型コロナウィルスについては、いち早く遺伝子ゲノム解析情報が世界で共有され、mRNAワクチンという最新の「科学的成果」が重症化率・死亡率を低く食い止め、5億人感染段階で死亡者600万人の犠牲にとどめてきました。しかしその同じ「科学的成果」が、核兵器・生物化学兵器開発に応用されて、ジェノサイドとよばれる民間人の大量虐殺を可能にしています。バイオハザード、バイオテロという副産物を産み出しました。

かと 旧ソ連崩壊時に、冷戦時代の1979年に秘密都市スヴェルドロフスク(現エカテリンブルク)で生物兵器として研究中の炭疸菌が流出して住民に感染させる大きなバイオハザード事故があったことが明るみに出ました。日本のオウム真理教事件ではボツリヌス菌・炭疽菌によるバイオテロが計画されていました。21世紀に入って米国9・11同時多発テロ時に炭疽菌郵送事件がありました。以後、日本医師会のホームページには、生物兵器は@簡単に人から人へ拡散、伝播すること、A高い死亡率であること、Bパニックを引き起こし、社会を壊滅させること、C公衆衛生上の対策で、特別な準備を必要とすること、の四つの特徴を持ち、特に炭疽菌による大量同時殺人がありうると記され、「生物兵器は、従来の化学兵器に比べ、より破壊力(殺人力)が大きく、安価であることが特徴である。そして、生物兵器に用いられる生物量は、比較的コントロールしやすく、輸送や散布が容易なのである。1993年の米国政府機関(The United States Congressional Office of Technology Assessment)の報告では、100キログラムの炭疽菌(Bacillus anthracis)を首都ワシントンで空中にばら撒いた場合、13万から300万人の死者がでると推計されている。これは、水素爆弾に匹敵する」と警告しています。

かと したがって、2020年初めに中国の武漢からコロナウイルスが見つかった時、米国ですぐに始まったのは、これは生物兵器であるのか、それとも研究中に間違って漏らしたものか(バイオハザード)、あるいは個人的に中国政府に対して怨みを持ったものの犯行か(バイオテロ)という、犯人探しでした。私個人は、コウモリなど動物を介しての自然感染と推測していますが、特に武漢ウイルス研究所のバイオセーフティレベル(BSL)管理が注目され、米中両国の情報戦になったのです。

かと ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの開戦当初から、核兵器の使用を示唆しました。チェルノヴイリ原発事故跡地を占領することによっても、核の現実的使用・放射能拡散への道を拓きました。 世界平和に責任を持つべき国連安全保障理事会常任理事国、核保有国でありながら、個人の生命と人類の生存を公然と脅かす暴挙に、3月2日の国連総会では、「ロシア軍の即時撤退」が140ヵ国以上の賛成で採択されました。

かと この国連総会決議に対抗するかのように、ロシアは3月11日に国連安全保障理事会に対して「米国がウクライナと生物兵器を開発している」と主張して緊急会合を要請しました。米政府は「ロシアが生物・化学兵器を使う口実を作るために嘘の主張を広めている」と反論しましたが、もう一つの常任理事国中国はロシア側の主張に同調し、米国のウクライナでの生物兵器開発にはバイデン大統領の息子が関与しているとまで報じられて、情報戦の深刻なイシューとなりました。 ロシア軍放射線・化学・生物学保護部隊は、3月10日、「米国の生物学的計画は、1940年代に中国を侵略した旧日本軍の731部隊が行ったことに似ている。その関係者は戦後、米国に逃れて庇護を受けた」と指摘し、中国のメディアはこれを肯定的に報じました(レコード・チャイナ「ロシア『米国がウクライナで731部隊に類似した研究』、中国ネット2022年3月11日、BBC解説「ウクライナは生物兵器を開発している ロシアの主張をファクトチェック」2022年3月15日、共同通信「ロシア、バイデン氏息子関与主張 ウクライナ生物兵器で」2020年4月1日 )。

かと 2022年4月に、日本政府がウクライナへの支援として化学兵器に対する防護マスクや防護服を提供することを発表すると、ロシア下院のヤロバヤ副議長は「防護マスクの提供こそ、ウクライナ側が化学兵器の使用を計画している証拠だ」として、第二次大戦中に、旧日本軍731部隊が人体実験を行い生物兵器を開発したと訴え、「こうした国の新たな犯罪計画は、平和への脅威となる」とコメントしました(テレビ朝日「化学兵器対応『防護マスク』日本提供に猛反発」2022年4月20日)。

かとロシア政府による日本軍731部隊を歴史的事例とした生物兵器をめぐる情報戦には、一つの下敷きがありました。前年2021年8月30日のタス通信は、ロシア連邦保安庁(FSB、旧KGB) が第二次世界大戦時の日本の対ソ細菌兵器使用、細菌兵器製造および試験の基地創設の計画に関する秘密解除保管文書を公開する、と伝えました。9月6日に、ロシアFSB中央文書保管所は「終わりの無い過去」プロジェクトの一環として,「ハバロフスク裁判  歴史的意義と今日の課題」国際学術実務フォーラムで、1949年の日本人戦犯裁判の秘密解除裁判資料を公開することを発表しました。 「押収資料、尋問調書および日本軍兵士、将校軍属の自筆証言は、ソ連国境間近の満州に建設された細菌兵器製造基地の存在、ソ連その他の国に対する細菌兵器使用計画、および生体実験などの実施の事実を証明している。…いわゆるアムール川のニュルンベルク裁判の資料は、ハバロフスク地方迎賓館で開かれる『極東のニュルンベルク裁判  ハバロフスク裁判の歴史資料文献』で初公開される」 といいます(タス通信「FSBは第二次世界大戦時の日本の細菌戦計画の文書を公開」2020年8月30日、毎日新聞「731部隊や関東軍の文書公開 ロシアが歴史問題で日本牽制か」2021年9月10日)。

かとこれは、ロシアのプーチン政権が第二次大戦中の日本軍の戦争責任を強調する動きで、8月の旧関東軍細菌兵器開発文書公開に続き、9月には旧ソ連が日本の戦犯を裁いた「ハバロフスク裁判」に関する学術会議を開き、プーチン大統領が歴史の「改ざん」を批判するメッセージを寄せました。このことを、中国人民網「ハバロフスク裁判 現実的意義がますます顕著に」2021年9月13日も、「国際フォーラム『ハバロフスク裁判:歴史の教訓と現代の課題』が、このほどロシア・ハバロフスクで開催された。ロシアのプーチン大統領はフォーラム参加者に書面でメッセージを寄せ、『ハバロフスク裁判は非凡な意義を持つ。歴史の記憶を留め、人道に対する罪を防止するという観点から、フォーラムには特に重要な意義がある』」と報じました。20世紀に「満洲」事変=侵略から「支那事変」=日中戦争、「大東亜戦争」=太平洋戦争とエスカレートしてきた日本には、NBC戦争を語る資格はない、といわんがばかりです。

かと 1949年末の旧ソ連ハバロフスク裁判では、731部隊と100部隊の人体実験・細菌戦が暴かれ、裁かれました。この国際フォーラムは、ロシアのウクライナ侵攻の半年前で、プーチンなりの新ユーラシア主義的歴史観・「大祖国戦争」観にもとづく戦争実行の予兆だったのです。同時に、こうしたハバロフスク裁判の歴史的事例がウクライナ戦争のさなかにロシア側から持ち出され、中国政府もこれに同調したことに、この世界史の再編期に日本がおかれている立ち位置の難しさがあります。ロシアの「ウクライナ=ネオナチ」というプロパガンダに対して、ドイツやイタリアがNATOの一員としてウクライナを支援し、欧州の国際世論のなかにスムーズに受け入れられるのとは違って、東アジアにおける日本の役割には、平和維持のうえでも核廃絶のうえでも、一筋縄ではゆかない問題があります。国内的には保守派から、日本国憲法の制約が問題だから自衛隊を国防軍にし軍備増強、米国との核共有といった声高な改憲論が強まっていますが、国際的にはそうした言説に敏感に反応し警戒する声が、隣国中韓朝露ばかりでなく、同盟国アメリカやEU諸国、東南アジア、大洋州からも聞こえてきます。731部隊の問題を含め、ナチス・ドイツと組んで「東洋の解放」「大東亜共栄圏」などと近隣諸国・諸民族への侵略を拡げてきた自国の戦争の歴史を、主体的に反省・自己批判することなく70年を費やし、時にはリーダーがプーチンやトランプとファーストネームで呼び合ってきた、重いツケです。

かと これらの問題については、昨年夏以来、毎月2回のペースで「パンデミックと731部隊の影」の対面講演を続けてきました。多くは下記のyou tubeに入っていますので、クリックしてご笑覧ください。 

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.●「2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながるーー倉内喜久雄の戦争責任」

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.●ka「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

ka「生き残った感染症村、ワクチン村・優生思想ー厚生省・厚生技官・医療政治と差別の問題」二木秀雄と長友浪男を事例にして、

https://www.youtube.com/watch?v=OKzwQxbwaeY

ka「感染症の世界史への日本の遺産ーー京大・戸田正三と東大・安東洪次の戦後責任」

https://www.youtube.com/watch?v=-tfhAW2mi6I

かと 『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。ゾルゲ事件関係で、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人で、片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。

Stop the War!  ウクライナへのNBC(核生物化学)戦争を許すな!

かと 2022.4.1  224日のプーチンによるウクライナ侵略開始から1月余、ロシア軍の道義なき爆撃と、普通の人々を巻き込む壮絶な軍事作戦で、本格的な戦争になりました。すでにウクライナの女性・こどもたちを含む民間人数千人が犠牲になっています。ロシア軍兵士は15000人が死んだと言いますが、確かな数はわかりません。犠牲者の数自体が、情報戦の中にあります。

かと すでに国外に逃れたウクライナ人は400万人以上、こどもたちが200万人と半数を占めます。停戦交渉は始まっていますが、クリミア半島と東部の帰属・領土問題もあり、時間がかかるでしょう。なにしろ国連安全保障理事会の常任理事国が、核兵器の使用さえ示唆しながら始めた戦争です。198991年の東欧革命・ソ連解体以来の激動、いや米中2大国と欧州全域が関わる第3次世界大戦の危機を孕んでいるという意味では、1945年以来の大きな世界再編のとば口にあります。

かと  首都キーウ(キエフ)近郊と東部ドンバス周辺から広がる戦闘地域はまだまだ流動的であり、「ウクライナの朝鮮半島化」による東西分割や「ノヴォロシア」独立さえ語られていますが、この戦争の責任が、プーチンのロシアによる一方的武力侵攻にあることは明白です。国際世論の多くも「戦争反対」「ウクライナ支援・連帯」が圧倒的ですが、400万人の避難民を受入れる国々の利害は、一様ではありません。国連安全保障理事会の機能不全のもとで、国連総会でのロシア非難決議、ロシアの即時撤退決議は140ヵ国の支持をえましたが、反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮などと少なくても、棄権・無投票が50ヵ国近くになりました。グローバル経済下の経済制裁といっても、米英日・EUに継ぐBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は加わっておらず、その効果は長期的であっても決定的ではありません。21世紀「世界の多極化・多様化」の趨勢のもとでのロシアの帝国主義的バックラッシュですが、国際関係の上では、20世紀のさまざまな問題が凝集し、同時に21世紀的な新しい変数も含まれています。

かと 私は20世紀から21世紀への境目で、ファシズム期イタリアのアントニオ・グラムシの「機動戦から陣地戦へ」にならって、「陣地戦から情報戦へ」を提唱し、書物にもしてきました(『20世紀を超えて』『情報戦の時代』『情報戦と現代史』など)。また、旧ソ連在住日本人粛清犠牲者の秘密資料による解読を、米国国立公文書館(NARA)や英国公文書館(TNA)の20世紀資料にまで拡げ、旧ソ連KGB・GRUから米国CIA・英国MI6・中国中共特科などの諜報機関をも扱ってきました。そのさい、「19世紀機動戦、20世紀陣地戦・21世紀情報戦」の理論モデルを、狭義には戦争と政治のあり方についてでありながら、広義には社会経済から文化・コミュニケーションを含む社会全体のあり方の変容をも包摂するものとして図式化しました。

かと それから20年ほどたって、世紀末に書いた私のやや楽観的な見通しは、大きく狂う部分が出てきました。一つは、環境生態系から気候変動に深化した地球的規模での自然と人間の関係です。「市民社会の成熟」「デモクラシーの拡大」の論理で考えると、どうしても人間中心主義になりがちですが、「人新世」ばかりか地震・津波・砂漠化・温暖化・ハリケーン、それに湾岸戦争からイラク、アフガニスタン、そしてウクライナにいたる戦災跡地の荒廃、チョルノービリ(チェルノヴイリ)からフクシマにいたる核放射能被害の永続性を考えると、天災と人災が融合する近代危険社会risk societyから現代災害社会disaster societyへの深化を、考えざるをえません。ウクライナでささやかれるNBC(核生物化学)兵器使用とは、都市化・近代化を巨大災害ジェノサイドへと帰結させるものです。原発は、ウクライナで、国家破滅のための人質にされています。

かと いま一つは、グローバル化の効果として、アントニオ・ネグリの言う「帝国」化と、地球と地域のはざまでの国民国家の相対化・たそがれを想定したのですが、これはウクライナ戦争より以前に行き詰まりました。コロナ・ウィルスの地球的蔓延=パンデミックで、国民国家単位での感染症対策・安全保障政策が著しく強化され、ネグリ的「帝国」ならぬ、ホブソン=レーニン的な古典的「帝国主義」が再現されることになりました。プーチンが目指す「大祖国」とは、ソ連邦ではなくロシア帝国であり、自らがめざすのは、レーニンよりスターリン、スターリンよりもピュートル大帝のようです。「新ユーラシア主義」ともいわれます。

かと ただし、そうした企図を貫徹させない要因が、情報戦に関わる21世紀的変数です。情報操作と世論を重視せざるをえないこと、一国通貨の国際取引における価値=信用・格付けを顧慮せざるをえないこと、NBC兵器の誘因にもなりかねない兵器の小型化(「ジャベリン」対戦車砲、地対空ミサイル「スティンガー」)や無人化(無人戦闘機ドローン「バイラクタル」TB2)によるウクライナ軍・市民の抵抗の効果がみられること、などです。なによりも、民衆レベルでのSNSと情報公開・情報分析(オシント、Open Source Intelligence)の飛躍的拡大・利用があります。これが、プーチンの予測に反して、ウクライナ民衆の粘り強い抵抗(レジスタンス)を可能にし、国際世論の支持調達に用いられました。逆に、情報を封鎖し、フェイクニュースで塗り固めた「1984年」風のロシア情報戦は、国内での高齢者・保守層にのみ通用する古典的情報統制に留まっています。

かと 歴史的には、前回1930年代前半のスターリンの強行的工業化・農業集団化の原資とされたウクライナの穀物調達・人為的飢餓「ホロドモール」に触れましたが、第二次世界大戦中には、赤軍への志願兵と共に、独ソ戦のはざまでナチスの力を借りてロシアから独立しようとする武装親衛隊もあらわれました(ウクライナ人師団「ガリツィエン」)。1991年のソ連解体に伴う独立、1994年の核兵器放棄に変わる米英露ブタペスト覚書、そして中東欧「カラー革命」の一環としての2004年オレンジ革命2014年「(ユーロ)マイダン革命」と、その反動としてのロシアのクリミア併合・ドンパス戦争から全土へと、この4半世紀は激動続きです。

かと 背景にNATOの東方拡大とウクライナ国内の東西対立・言語政策、それにプーチンが「ネオナチ」とよぶ「マイダン革命」時に活躍した「アゾフ大隊」のウクライナ国家親衛隊への組み込みステパーン・バンデーラの民族主義運動評価など、紛争の火種は鬱積していました。しかしそれで、プーチンの軍事侵攻が正当化できるわけではありません。第二次世界戦争を終わらせた連合軍=国際連合(United Nations)国連憲章に違反し、その特別の地位(安全保障理事会常任理事国・核兵器保有国)にふさわしくない国際政治の乱暴な攪乱です。NBC(核生物科学)兵器使用が、そんなプーチンの周辺から聞こえてくるのは、20世紀を超えた人類的危機の出現です。

かと 情報戦においても、例えばロシア側の主張を含むオリバー・ストーン監督のUkraine on Fire を見ようとすると Google 検索ではなぜかマイダン革命を英雄的に描くWinter on Fire が上位に出てきます。Ukraine on Fire を見ようとすると、you tube ではすでに削除されているという具合で、一つ一つの情報を吟味しなければなりません。とはいえ、ウクライナに侵攻した戦車や支給品にZマークを描き、国内では戦争反対の声を封じ込めるためにプーチンに従わない家にZを落書きしているロシアの方が、かつてユダヤ人の店や住宅にダビデの星マークをつけてまわったナチスの手法と似ています。「ネオナチ」はヨーロッパ全域に広がる右翼ナショナリズムの運動ですが、必ずしも反ユダヤ主義とは限りません。人種・民族差別が移民・難民問題と結びついている場合が多く、ウクライナ市民の強制移住さえ辞さないプーチンの地政学にこそ、ふさわしいレッテルです。プーチンのZマークは、ナチスの鍵十字(卍、ハーケンクロイツ)と似た、敵味方を象徴化する機能を果たしています。こどもたちへの「愛国」Z教育は、旧ソ連のピオニールにも、ナチスのヒトラー・ユーゲントにも通じる、排外主義的ヘイト教育です。

かと ウクライナ戦争の影に隠れたかたちで、コロナ・ウィルスのパンデミックは進行しています。欧米や日本はワクチン反復接種のみの感染対策になりつつありますが、感染自体は3年目で、感染者数は毎日100万人を越えて5000万人近く、死者は600人を越えました。かつては欧米に比して感染が少なく、文化的ファクターXまで語られた東アジアが、韓国・中国と急速な感染が広がりました。第6波のピークは過ぎたといわれる日本でも、低年齢層を中心に再度増加傾向がみられ、オミクロン株でも感染力の強いBA2型」による第7到来が「専門家」の中でも語られています。 世界的な感染対策のなかでも、核の脅威を孕んだウクライナ戦争への国際的対応の中でも、日本の存在感の喪失、相対的役割の低下が痛感されます。

かと こちらの問題については、昨年夏以来毎月2回のペースで「パンデミックと731部隊の影」の対面講演を続けてきました。この間、世界に生物兵器・細菌戦の可能性を広めた日本の731部隊とその戦後への遺産を、感染政策を国家安全保障政策の一環にした相似性と優生思想の問題として語ってきました。20世紀に出現したNBC(核生物科学)兵器の脅威を語ってきましたが、224日からのウクライナでは、ついにその大量殺人兵器の現実的使用、ジェノサイドが切実な問題になっているのです。35日・19日の連続講座もすでにyou tube に入り終了しましたので、ご関心の向きは、下記をクリックしてご笑覧ください。 

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.ka「2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながるーー倉内喜久雄の戦争責任」

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.●ka「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

ka「生き残った感染症村、ワクチン村・優生思想ー厚生省・厚生技官・医療政治と差別の問題」二木秀雄と長友浪男を事例にして、

https://www.youtube.com/watch?v=OKzwQxbwaeY

ka「感染症の世界史への日本の遺産ーー京大・戸田正三と東大・安東洪次の戦後責任」

https://www.youtube.com/watch?v=-tfhAW2mi6I

かと 『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「ka戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。ゾルゲ事件関係で、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた、唯一の日本人で、片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。

Stop the War! 「ホロドモール」から生まれた国に「ホロコースト」を許さぬように!

かと 2022.3.1  パンデミックで分断された地球に、プーチンの侵略戦争が始まりました。2月24日未明、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。軍事力の差は大きく、プーチンはチェルノブイリ原発を占拠したばかりでなく、核兵器の使用さえほのめかしています。本サイトの立場は、4半世紀前からはっきりしています。戦争は一人、せいぜい少数の人間がボタン一つ押すことで一瞬にし て起せる。平和は無数の人間の辛抱強い努力なしには建設できない。このことにこそ、平和の道徳的優越性がある」(丸山眞男)。今回はかなり長文で、更新します。

かと ちょうど益田肇さんの『人びとのなかの冷戦世界』(岩波書店)を読んでいる途中で、新たな戦争の勃発です。1950年6月に朝鮮戦争が始まったとき、第二次世界大戦を経験した欧米・東アジア・東南アジアの人々は、「第三次世界大戦の勃発」ととらえました。実際は朝鮮半島の中で南北両国が「統一」を求めて軍事化し、スターリンもトルーマンも核戦争を恐れていたのに、東西「冷戦」の雰囲気に巻き込まれていきました。それもミクロに見れば、地域によっても、人種・民族・宗教、階級・階層・職業など人々の帰属集団や情報の濃淡によっても受け止め方は違っていたのに、5年前までの体験から「冷戦」と局地的「熱戦」は不可避と思われたのです。アメリカの「赤狩り」、中国大陸での「反美扶日」、日本の「逆コース」や「レッドパージ」も、それぞれの地域の内的事情で生まれながら、「冷戦」イメージをかたちづくります。著者によれば、南アジアやアフリカ、中南米では「冷戦」言説より「反帝国主義」の方が受容されました。今回も米国バイデン大統領が「第三次世界大戦」に言及しています。

かと プーチンのウクライナ侵攻は、あたかも「ソ連邦の再建」を夢見るかのようです。NATO加盟をめざす現政権転覆のため、クーデターさえよびかけています。無人機ドローンやクラスター爆弾サーモバリック弾も使われていますが、外交・軍事作戦は20世紀の力の論理むき出しで、わずかに国際世論を気にした情報戦を組み込んでいるところが新味です。米国・EU各国のスタンスは微妙に違いますが、それでも経済制裁SWIFT排除の他、アメリカもドイツもウクライナへの武器支援を決めました。世界中で抗議と反戦の運動が起こっています。ロシア国内でも反戦反プーチンのデモで数千人が検挙されています。アメリカのイラク戦争開戦直後の、世界社会フォーラムによびかけられた世界的反戦デモが想起されます。ちなみに、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア系のユダヤ人、祖父は赤軍の兵士で、親族にはナチスの「ホロコースト」犠牲者もいます。

かと ウクライナは、かつて「ホロドモール」の国でした。2019年ベルリン映画祭に出品されたポーランド映画赤い闇――スターリンの冷たい大地で」で広く知られるようになりましたが、世界恐慌期のソ連経済を支えるために、穀倉地帯ウクライナの生産物が強制調達され、第一次5カ年計画の強行的工業化・農業集団化のロシアに送られました。ウクライナ人は 1932から1933にかけて400万人以上が飢餓の中で死亡しました。ウクライナ人は強制移住により家畜農地を奪われ、 600万人以上の出生が抑制されたといいます。当時、資本主義世界は大恐慌下の失業と貧困でどん底にあったのですが、社会主義ソ連は、失業もなく第一次5カ年計画で共産主義へと進む「労働者の祖国」と宣伝されました。そのソ連の「成功」の背後に、ウクライナの大飢饉、400万人の「ホロドモール」の人為的飢餓があったのです。その後遺症でしょうか、第二次大戦中には、スターリンのソ連に反発した対独協力部隊も出現しました。民族楽器バンドゥーラで知られる音楽大国でもあります。

かと ロシアとウクライナの間には、9世紀のキエフ大公国以来の長く複雑な歴史的経緯があり、今回の侵攻を予告した昨年夏のプーチン論文のタイトルは「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」でした。しかし20世紀のウクライナは、ソ連邦の中でスターリンにより犠牲にされた「国内植民地」で、「赤い闇」の中にあったのです。歴史的には、E・H・カー、ジョナサン・ハスラム、ロバート・コンクエストや渓内謙らの研究で明らかにされてきましたが、公式には、20世紀末ソ連の解体、ウクライナの独立によって、本格的な自国史作りの俎上にのりました。ウクライナの人々の怒りと抵抗の基底には、この「ホロドモール」の記憶があり、チェルノブイリ原発事故の体験があり、ナチスのユダヤ人虐殺「ホロコースト」ウクライナ版への危機感があるのです。

かと 現在ウクライナに残る日本人の多くはキエフ在住で、120人ほどといいます。彼らから日本にも、刻々のSNSの声が伝えられています。インターネットニュースでも、CNNやBBCなどによっても、侵略と抵抗の動きを知ることができます。これが、1930年代の「ホロドモール」時代とは、大きく異なる点です。「資本主義に対する社会主義の勝利」を演出してウクライナの飢餓を隠蔽したスターリンと違って、プーチンの情報戦は「大義」を見出す点で困難にならざるをえません。

かと 1930年代初頭のウクライナ「ホロドモール」を現地で外国人労働者として体験した、一人の日本人女性がいました。片山千代、当時のコミンテルン幹部会員・片山潜の次女です。日本労働運動の父と言われ、最初の共産主義者であった片山潜は、二人の娘に看取られて、33年11月に亡くなりました。その直前まで、長女の安子は舞踊家としてコミンテルンのホテル・ルックスでの父の介護が認められましたが、次女の千代は、「日本のスパイ」と疑われ青山学院出の労働者経験のない女性としてウクライナに「下放」されており、「ホロドモール」大飢饉を実際に体験する、唯一の日本人となりました。千代はその実情を、ハリコフのトラクター工場宿舎からモスクワの父・姉に40通の手紙で知らせ、食料と台所用品と金を送ってくれるように、自分を早くモスクワに戻してくれるように、と繰り返し訴えていました。

かと 詳しくは旧ソ連在住日本人粛清犠牲者研究で書いた拙稿「『32年テーゼ』と山本正美の周辺」(『山本正美裁判資料論文集』解説、新泉社、1998)の第5節「片山潜の娘千代の訪ソが生み出した波紋」ほかをご覧ください。以下にその一部を引用しておきますが、すでに日本共産党の象徴に棚上げされ、コミンテルンでも実権を失った老境の父・片山潜、父の「威光」で粛清をかいくぐりソ連に留まって戦後は日ソ友好の架け橋となる姉・片山安子は、自分の防衛にせいいっぱいで、「ホロドモール」犠牲者・千代に手を差し伸べませんでした。ようやく父の葬儀列席でウクライナから脱出した千代は、心身を病みながら重労働に従事しましたが、1946年に精神病院で死亡しました。さびしく不幸な後半生でした。片山潜安子も、千代の体験したウクライナの悲惨を熟知しながら、「ホロドモール」を示唆する記録を残すことはありませんでした。

かと 1997年末に、モスクワのロシア現代史史料保存研究センタ(現RGASPI)において「片山潜ファイル」を閲覧しましたが、そこには、片山安子や千代が父潜に宛てた手紙類も保存されていました。そのうち1931年から33年にかけて書かれた約40通の手紙の中で、ウクライナのハリコフ・トラクター工場に送られた片山千代は、スターリンの強行的工業化・農業集団化により飢餓におちいったウクライナの惨状を切々と語り、モスクワの父潜・姉安子に対しても厳しい言葉を発していました。

 「私は今バラックに居る。バラックは65名の女性が一つの平屋木造にベッドをキチキチにならべて生活しています」「便所はとうていはいれるものではない」「ハリコフは毎日雨がふってる」「私は着の身着のままで着替えがない。クツは持ってない、一文無しだ」「あなた方はそれでも血の通ってる人間ですか。だまされるものは馬鹿だと、姉とあなたはいつもの如くウナギメシをつっつきながら笑ふつもりでせう!」(片山千代の父潜宛手紙、1932年5月)。

 「私には娘時代は無かった。将来も無いでせう」「あなた方はそれほど私の生活について無関心なのですか。私もつくづく不幸であるわい」「私は今まで随分とこらえもし試みたが月給日までにはどうしても不足して十銭五銭とパン代を工場の少女青年の間を借りて歩く」「姉の如きは女のくせに一本の便りもよこさぬ」「私は母のゆるしを三ヶ年間滞在で来た。ロシアに来たのでなく父のもとに来たのだ」「私はすでに三ヶ年を過ぎてますし、父たるあなたも、亭主のある姉安っちゃんを、併も亭主が相当月給をとってる嫁になった姉を世話して[いながら]、あなたのところに訪ねて来た私を、どうにでもなれ、おれの知った事でないとぶんなげてる」「私が帰りたいときには、今度は最後のおさらばをしますから。[日本の]母は今一人で病気して一人娘を待ってますからね。あなた方がウナギメシ、オスシに舌づつみ打ってるとき、母は居候して三度のめしもきがねし、好きな煙草ものめないでる」(同、1932年8月)。

 「モスコーに私がゐた時ですら、お父様は私の生活をかえりみなかったし、質問もしなかったし興味ももってなかったし、ホーリぱなしで、室に入って対座していても、一日口をきかなかった事も有った」「旅費と寄せ状をお送り下されば、じ職してモスコーへ帰ります。問題は真面目な事です。片山の娘としてある、二番目娘は馬鹿者であると云ふ事が知れたにしても、お父様の種で生まれて来てますからね。お自分の娘だと云ひながら、八ヶ月間もホッタラカシにし、知らぬ振りしてる。」(同、1932年末?)。

かと 片山千代は、父の葬儀でモスクワに戻っても、ウクライナでのトラウマは残り、そのまま心を病み、ソルジェニツィンの告発した旧ソ連の精神病棟に入り亡くなりました。つまり「日本の共産主義の父」の娘は、ウクライナの「ホロドモール」の犠牲者でした。それから半世紀以上たって、すでにウクライナ併合の野望を持っていたプーチンを日本に呼び、手厚く接待した首相がいました。安倍晋三です。かつて「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」とプーチンに媚びた歴史修正主義者が、ウクライナの戦争と東アジアの危機に乗じて、「核シェアリング」まで言い始めています。開戦直後に「プーチンは天才」とつぶやいたトランプと双璧でしょう。この面では、憲法学者水島朝穂さんの紹介する、元早大総長西原春夫さん(93歳)がよびかけ、元国連事務次長 の明石康さん(91) 、元国連大使・OECD事務次長の谷口誠(92)さん、元内閣官房副長官石原信雄さん(95歳)と登山家三浦雄一郎さん(89歳)らも加わった「長老」たちによる「東アジア不戦メッセージ」に、ぜひ耳を傾けましょう。アメリカで「ヴェテラン」といえば退役軍人たちのことですが、日本の長老たちの言葉も、体験の重みがあり、説得力があります。故瀬戸内寂聴さん遺言になりました。

 かと 核兵器でも、パンデミックには勝てません。戦争はむしろ、ウィルスを拡げます。第一次大戦時の「スペイン風邪」は、アメリカ軍のヨーロッパ戦線参戦がもたらしたもので、世界で5億人が感染、5千万人が死亡しました。現在地球上で、COVID−19の感染者は5億人に近づき、600万人が死亡しています。日本の感染者も500万人に達し、死亡者2万3千人とされていますが、日本は検査体制が崩壊し、政府統計は信用できませんから、厳密に検査すれば、おそらくその数倍・数十倍になるでしょう。ロシアの感染者が1600万人、死亡者35万人、ウクライナが感染者500万人、11万人死亡とされていますが、この両国が戦場でぶつかりあい、兵士が都市を占拠したりしたら、さらにウィルスは拡散するでしょう。沖縄や岩国でも見られたように、狭い空間で集団生活する兵士たちは、格好のウィルス運搬媒体なのです。ロシア・ウクライナ戦争は、世界の政治経済を撹乱するだけではなく、COVIDー19への世界的対処を、確実に遅らせることになるでしょう。この面でも、STOP WAR!です。この問題での私の連続講演記録は、以下のyou tube映像で。連続講演はあと二回、3月5日と19日です。  

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.ka●2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながる、

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.ka●「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

かと 『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。ゾルゲ事件関係で、『毎日新聞』2月13日学芸欄のインタビューに答えています。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた、唯一の日本人で、片山千代ウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。

検査もできない医療後進国での知的自己防衛とは?

かと 2022.2.1  オミクロン株によるコロナウィルス感染が爆発的に広がり、第6波の蔓延真っ盛りです。1月末に国内新規感染者一日8万人を記録し、まもなく10万人の日が来るでしょう。世界は先月3年目で3億人突破と書きましたが、それがすでに3億6千万人突破、1月最後の1週間で2500万人増ですから、20世紀最大のパンデミック、「スペイン風邪」の5億人に近づいています。デンマークで流行るステルス・オミクロンが日本でも確認されており、インフルエンザや花粉症の重なる季節に、再び医療崩壊です。

かと 何より驚くべきと言うか、嘆かわしいというべきか、第5波の収束後に十分準備期間があり、「聞く力」の内閣に代わってPCR無料検査も拡大したはずだったのに、いざ予想されていたオミクロン株感染爆発が始まると、PCR試薬ばかりか抗原検査キットも不足し、治療・入院以前の検査そのものができない窓口での医療崩壊、ついには濃厚接触者追跡もクラスター潰しもあきらめ、自宅療養者という名目の棄民26万人、その何十倍の検査難民発生の事態です。政府も「専門家」も信用失墜で、普通の国なら「ジェネレーションレフト」まで行かずとも、若者の抵抗と街頭デモでしょう。ワクチン接種3回目もOECD最下位で、コロナ以外の治療・手術も難しいまま、「自分自身で健康管理」という自己責任論の横行・跋扈です。

かと 2年前に拙著『パンデミックの政治学』(花伝社)で示した日本の感染政策の基本的問題が、ほとんどそのまま受け継がれ、安易な後手後手の対症療法ばかりで、この国の経済・政治ばかりでなく、医療の後進国化を世界に顕わにしています。普通の国並みの、いつでもどこでも繰り返しのPCR検査が行われていれば、おそらく無症状を含む感染者数は厚労省ー感染研ー保健所ルートの公式発表の数倍以上、期末や入試を控えたこどもたちの休園・休校状況から推定すると、10倍になるかもしれません。すでに一昨年から韓国の新聞等が指摘していましたが、検査もまともにできない日本の感染者数は信用できません。「アベノミクス」のためにかさ上げされたGDPや、賃金・労働時間統計と同じように、政権交代後に改めて精査すれば、東京オリンピック強行や電通・パソナ中抜きのために仕組まれた「パンデミック政治経済」のからくりが、明らかになるでしょう。 知的自己防衛が必要です。

かと こうした問題を、昨年も書物でまとめる予定でしたが、世界も日本もパンデミックの延長戦が続き、もっぱら毎月の市民向け講演等で、新たな問題を思考し論じる流れが続きました。活字では、3月の講演をもとにした.ka「「日本のコロナ対応にみる731部隊・100部隊の影」、昨年末に発表した『戦争と医学』誌第22号への寄稿.ka戦前の防疫政策・優生思想と現代ーーパンデミックの中で考える」にまとめてありますが、多くは参加者を制限した予約制対面講演で、それをyou tubeに入れて皆さんに届けるかたちで、発信してきました。

夏から始めた市民向け連続講座ほか、1月の二つの講演も、すでにyou tube 映像になっています。原稿なき口頭講演では、時に数字や人名の誤りなどありますが、ご関心のある方はどうぞ。

●東京オリンピック・パラリンピック強行との関係、

https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、

https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。

https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

.ka●2020年永寿総合病院クラスターから見えた731部隊の影は戦時インドネシアの人体実験につながる、

.https://www.youtube.com/watch?v=z3Z25-FnLT8

.ka●「新・1940年体制」ともいうべき国家安全保障、治安・経済政策に従属した日本の感染対策、

https://www.youtube.com/watch?v=3aqXTdIxQmE

かと 前回、「無知学」agnotology という学問を紹介しました。日本の統計改竄、公文書廃棄・改竄等をあばくのもそのひとつです。それは、学問ばかりでなくジャーナリズムの使命ではないか、という人に、映画「新聞記者」をお勧めします。藤井道人監督の劇場版は、加計学園問題を示唆するストーリーや内閣情報調査室の迫真の描写など、すぐれた演出で、数々の映画賞を受賞しましたが、同じ監督のNetflix版も、豪華キャストに、森友学園スキャンダル、赤木俊夫さん自死事件を彷彿とするストーリーで、見応えがあります。 「無知学」agnotology は、狭い意味での学問に閉じ込める必要はないようです。映像、コミック、詩や短歌・俳句、風刺画や川柳、もちろん文学を含むあらゆる文化資源を動員して、真実を探っていく、知的自己防衛の試みでしょう。本サイトも、そうした一翼でありたいものです。

かと その観点から、久方ぶりの読書案内。まずは「無知」を作り出す権力の技術を、安倍・菅内閣で最先端にいた北村滋の初めての著書『情報と国家』(中央公論新社)から学びましょう。収録専門論文の初出では地の文だった「大東亜戦争」に、この一般向け書物ではカッコがついていました。早速の偽装です。こうした日本のインテリジェンスを歴史的に見るには、リチャード・J・サミュエルズ『特務』(日本経済出版)が有益です。私や上昌広さんと共に、眼前のパンデミックに731部隊や旧内務省の亡霊を見出す眼は、山岡淳一郎『コロナ戦記』(岩波書店)、「選択」編集部『日本の聖域ザ・コロナ』(新潮文庫)など。より長いスパンでは、林博史『帝国主義国の軍隊と性』(吉川弘文館)、井川充雄『帝国をつなぐ<声>』(ミネルヴァ書房)、鄭栄『歴史のなかの朝鮮籍』(以文社)、芝健介『ヒトラー』(岩波新書)、田嶋信雄・田野大輔編著『極東ナチス人物列伝』(作品社)、市川浩『核時代の科学と社会』(丸善)など。こうした問題を解く手法と思想を、ナディア・ウルビナティ『歪められたデモクラシー』(岩波書店)、野原慎司『戦後経済学史の群像』(白水社)、山室信一『モダン語の世界へ』(岩波新書)、八木紀一郎『20世紀知的急進主義の軌跡』(みすず書房)、中野慶『岩波書店取材日記』(かもがわ出版)、大窪一志『相互扶助の精神と実践』(同時代社)、バーリン『反啓蒙思想』(岩波文庫)などで。まだまだありますが、ステイホームと自粛で浮いた時間と空間は、「無知からの脱却」への貴重な公共圏です。

 

「無知学」に学び「無知を知る」年に!

 

かと 2022.1.1  新年がきても、相変わらず新型コロナウィルスに覆われた世界です。地球の感染者数は3億人に、死者数は600万人に近づいています。新しい変異株オミクロン型は、ワクチン接種の進んだ欧米諸国でも、軒並み新規感染者数最高を記録しています。日本はワクチン接種の時期が遅かっただけ、オミクロン型の市中感染を抑えて年末年始の移動期を迎えましたが、第6波の襲来は避けられないでしょう。あのオリンピック最盛期の医療崩壊と「自宅療養」という名の棄民策の再来だけは、避けたいものです。ようやく始まった、大きな都道府県での無症状者へのPCR無料検査が、 相変わらず厚労省技官・国立感染研・地方衛生研・保健所ルートに独占された公式データ収集と感染対策に活かされ、3回目ワクチン接種や治療薬による世界水準に近づくよう期待します。これまでの問題点については、2020年に出した『パンデミックの政治学』(花伝社)のほか、3月の講演をもとにした.ka「「日本のコロナ対応にみる731部隊・100部隊の影」、それに年末に出た最新の『戦争と医学』誌第22号への寄稿「戦前の防疫政策・優生思想と現代ーーパンデミックの中で考える」にまとめてあります。

また、夏から始めた月2回の市民向け連続講座のいくつかが you tube 映像になっていますので、ヒマな時にご笑覧ください。

●東京オリンピック・パラリンピックとの関係、https://www.youtube.com/watch?v=01gt8vWDJ1A&t=7s

●映画「スパイの妻」から見たパンデミック、https://www.youtube.com/watch?v=smgAbMjmfRM

●731部隊・100部隊から「ワクチン村」へ。https://www.youtube.com/watch?v=cJhMbXRZ7G4&t=3236s

かと 「無知学」agnotology という学問があるそうです。Wikipediaにも立項された「社会文化的に引き起こされる無知または疑念についての研究」であり、「特に社会に発表・流布される不正確または誤解を導く様な科学的データについての研究」で、「科学史のもう一つの見方」なそうです。もともとPCR検査を抑制して「濃厚接触者からクラスター発見」に集中する日本の特異な手法で集められた感染データが、果たしてドラッグストアでもドライブスルーでも広く無料のPCR検査で集められたアメリカや韓国の感染者数と同一平面で比較可能なのだろうか、という個人的疑問から辿りついた学問領域ですが、国際的・国内的データ不正からフェイクニュースの見きわめ、歴史における記録と記憶の照合にいたる、さまざまな場面で応用できそうです。「社会文化的に引き起こされる無知の能動的な原因」として「メディア、企業・団体、政府機関による情報の隠蔽や抑制、関連文書の破棄、記録に残す物の恣意的な選択」を挙げ、「気候変動の影響を矮小化するために石油会社が科学者に金銭を出し幾つもの研究を行った気候変動否定論」を実例とし、「非能動的な原因としては人種や社会階級などによる社会構造的な情報隔離・格差・差別」まで挙げていますから、21世紀パンデミックの世界は、「無知」と「未知(故意に作り出された社会的な無知)」に溢れています。ワクチン・副反応やマスクの効果ばかりでなく、たとえばロシアでは、スターリン粛清犠牲者の記録を発掘し遺族に寄り添ってきた歴史研究者中心の組織「メモリアル」が最高裁判決で解散させられました。ミャンマーの軍事クーデタの犠牲者は、現地の人権団体のまとめで1000人を超えます。しかし正確な数字はわかりません。日本軍による南京事件の中国人犠牲者、中国文化大革命や天安門事件の犠牲者数と同じように、将来の無知学の対象になります。

かと そんな「無知学」agnotology の視点にたつと、現代日本、とりわけ安倍晋三・菅義偉政権時代のこの国は、「不正確または誤解を導く様な科学的データ」で覆われた、作られた「無知・未知」の時代でした。原爆や原発事故の残留放射能隠蔽は歴史的事例ですが、厚生労働省の毎月勤労統計に続いて、国交省の建設工事受注動態統計も改竄されてきたことが明るみに出ました。いずれも「アベノミクスの成功」を演出するための政治的データ改竄で、国際的なGDP統計さえ信頼性が揺らぎました。安倍首相のもとでは森友学園問題での財務省公文書偽造、桜を見る会の招待者名簿シュレッダー廃棄など、民主政治の根幹を揺るがすデータ改竄・事実隠蔽が続き、「無知」が蓄積されました。それを科学の側から正そうとする動きに対しては、菅内閣の学術会議会員任命拒否がありました。だからこそ、新型コロナウィルスについての政府発表の統計も、その政府に使われる「科学者」たちの提言やウィルス推奨発言の科学性も、疑いの眼で吟味せざるをえないのです。その上、森友問題の真相解明のために、公文書改竄に抗議して自殺した赤木俊夫さんの妻が起こした民事訴訟に対する政府の司法的対応、なんと財務省の決裁文書や「赤木ファイル」、証人訊問に進むのを拒否するために、民事訴訟の賠償請求をそっくり認める代わりに裁判そのものを終わらせる、「認諾」という禁じ手の行使。「また夫は見捨てられ、殺された」という赤木夫人の怒りの悲鳴は、至極もっともです。裁判官すらもあきれたという行政権力の横暴ですが、その裁判所でも、生活保護に関わる地裁の判決がコピペされ、しかもNHK「受信料」とすべきところを「受診料」と同じ誤字までペイストして判例とされ、「最高裁判所判例集」には120箇所も誤記・誤字がみつかるという醜態です。

かと 現代世界のコロナ下の政治体制は、民主主義と権威主義にわかれるとか、経済体制の資本主義も、政治権力の主導する「政治的資本主義」と「リベラル能力資本主義」に分かれるとか(ミラノヴィッチ)。ただし、権威主義を専制主義とか全体主義とかいいかえたとしても、純粋のイズム・システムなどありえません。権力分立とか法の支配といっても、それぞれの国・地域で民主化の程度は違いますし、経済体制での政府財政や中央銀行の役割も、相対的な程度の違いになります。デジタル・コミュニケーションが普及したこんな時代には、むしろ経済権力と政治権力が何らかの程度で結びついた「監視資本主義」ととらえ(ショシャナ・ズボフ)、基本的人権や社会的弱者の尊重、貧困・格差・差別の度合いと結びつけて「デジタル・ファシズム」まで見通す視角の方が、有効と思われます。この国の「国権の最高機関」=国会の立法権力が十分に機能せず、行政権力はこの10年で著しく専制度を強め、司法権力の独立も危ういとすれば、むしろ戦前「1940年体制」を「デジタル・ファシズム」の原型として批判的俎上にあげ、歴史に学ぶべきでしょう。よく知られた経済史上の戦時統制経済ばかりでなく、紀元2600年建国祭で「日本法理」が跋扈し治安維持法体制が確立された政治的「1940年体制」を含むものとして。オミクロン株の日本での拡大は、検疫どころか日本の主権の及ばない米軍基地から沖縄市内への感染が一つのルートとなりました。安保法制で日本の軍事化を推進した安倍元首相が、対中戦争の危機を煽っています。2022年がどのようになるかは、私たちが「無知学」がいう意味での「無知・未知」からどのように脱却できるかに、かかっています。「無知を知る」ことこそ、その確かな一歩です。

オミクロン株にそなえて、今こそ全国でPCR無償検査体制を!

かと 2021.12.1  前回更新は、総選挙開票直後で、ドイツと対比しながら、「この国では直前の自民党総裁選という擬似政権交代で、安倍・菅政権の基本政策継承ばかりでなく、モリ・カケ・サクラ等数々の権力犯罪の隠蔽と不訴追が決まっており、日本学術会議の会員任命拒否やコロナ対策での科学者の提言無視も、首相の交代でうやむやにされます。……政治を変えることによる格差是正・社会構造変革には踏み出せません。あきらめているようです。個々の政治家の勝敗は別にしても、自民は絶対安定多数議席確保、与党公明党も完勝、立憲民主党と共産党は野党共闘にもかかわらず議席減の敗北・共倒れ、自民党への不満の受皿は、改憲勢力日本維新の4倍化大勝、国民民主党の微増にまわったかたちです」と書きました。それから1か月、10月のメディアは自民党総裁選を首相予備選挙として大々的に報じたのに、総選挙で議席を減らした立憲民主党の代表選は、一向に盛り上がりません。メディアの無視もありますが、4人の候補者で総選挙総括の活発な論戦になるかと期待していたら、来年参院選を控えて共産党との野党共闘・候補者調整の効果を無視できず、かといって労働組合・連合との関係を清算するわけにもいかず、旧枝野執行部との距離の取り方が多少違う程度で、基本路線の抜本的検討には向かいません。案の定、相対的に若いが連合寄り・改憲論議容認の泉健太代表選出で決着。共闘相手の共産党には厳しい結果ですが、日本政治の閉塞構造そのものは、大きく変わりません。執行部への女性登用ばかりでなく、コロナ対策や予算編成で、野党第一党としての意味を持てるでしょうか。お手並み拝見です。

かと 山岡淳一郎『コロナ戦記』(岩波書店)が出ました。改めてこの国の初期のパンデミック対策、ダイヤモンド・プリンセス号対応、永寿総合病院クラスター対応などを振り返ると、東京オリンピックや与党の政治日程に翻弄されてきた、この国のコロナ対応のボタンの掛け違いが悔やまれます。結局オリパラ開催時がピークであったコロナウィルス感染第5波の鎮静化が、総選挙での自民党勝利・岸田内閣成立の追い風になりましたが、感染者減少に浮かれて旅行や忘年会の日程が入ってきた途端に、国際的には新たな変異株オミクロンの急速な拡大です。日本にも入ってきて、年末から年明けと想定されていた冬期のリバウンド、第6波到来のきざしです。ところが政府の備えは、第5波収束の科学的理由さえよくわからないまま、3度目のワクチン接種計画も曖昧で、相変わらずのその場しのぎです。一部アフリカ諸国のみに絞ろうとした外国人の入国制限を全世界に広めたのは、ようやく国際水準でいいことですが、水際対策と言っても、日本人には緩やかです。空港検疫での最初の検査は、いまだにPCR検査ではなく、抗原定量検査です。オミクロン株を見分けるゲノム解析は、相変わらず厚労省管轄の感染症研究所の独占で、文科省管轄の大学や民間の高度な技術・機器・人材は十分に活かされていません。昨年の第一波以来の「日本モデル」の根本的欠陥、感染研・地方衛生研・保健所ルートでの「法定検査」独占、無症状感染を無視したPCR検査の限定とクラスター対策、医療崩壊を招いた感染症軽視と病床確保のゆがみが、基本的に続いています。岸田首相は、安部・菅内閣のコロナ対策との差異化をはかって、無症状・一般人を含む無償PCR検査の拡充を言い出しましたが、各都道府県の必要に応じて、となっています。オミクロン株が出てきた今こそ、昨年から世界中で普通に行われてきた、誰でもいつでもどこでもPCR検査ができる体制を、構築すべきです。ドラッグストアでもドライブスルーでも、拡充すべきです。これまでのワクチン一本足対応を改め、後手後手だった日本の感染対策を、世界標準の徹底した検査体制で補うことが、GoToトラベルやインバウンド観光再興よりも前に、この国のなすべきことです。

かと 日本大学理事長の金権まみれの闇に、ようやく司直のメス。明らかに、半世紀前の日大闘争時の古田重二良会頭問題の再現。田中理事長は、当時は相撲部で学生横綱、大学執行部に反対する学生たちに暴力で襲いかかった体育会系学生の中心だったようです。今回は、コロナ禍でのオンライン授業中で、学費・授業料を私消された学生たちや、かつて古田会頭体制を打倒したOB・OGたちの運動がないことが、寂しい限りです。パンデミック第6波は確実にやってくるでしょうが、「ヒロシマ連続講座」の竹内良男さんと組んだ私の「パンデミックと731部隊」という対面の連続市民講座も、毎回会場を変えて、おそるおそる再開です。9月の第1回ka「オリンピックに翻弄された日本のパンデミック対策ーー731部隊から感染研・ワクチン村へ」の模様は、you tube で公開されています。10月の第2回ka「映画『スパイの妻』と731部隊ーー『幻の東京オリンピック』の影で進められた細菌戦と人体実験」も、you tube になりました第3回11月6日は多磨霊園でのフィールドワーク、第4回12月4日は、医師たちの731部隊と獣医師たちの100部隊についての、獣医学者小河孝さんと組んでの「人獣共通感染症への戦争動員」ジョイント講演ですが、これからの詳細は、主催者の方に問い合わせてください。学術論文データベ ースに、ka木俣 雅晴さん「オーギュスト・ブランキの革命思想の投稿があり、審査の上採用し収録しました。私自身の3月NPO法人731資料センター第10回総会記念講演ka「「日本のコロナ対応にみる731部隊・100部隊の影」(NPO法人731資料センター『会報』第37号、2021年10月)が活字になりましたので研究室に、『東京新聞』8月8日号掲載、ka城山英巳さん『マオとミカドーー日中関係史の中の「天皇」』(白水社)の書評図書館に、それぞれ収録しておきます。