『エコノミスト』2000年2月1日号特集「インターネット仕事術」

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インターネットで政治学

 

加藤 哲郎(一橋大学)

 


 かつてテレビの登場が、ケネディをアメリカ大統領におしあげた。いまアメリカ大統領選挙では、各陣営がホームページで指名を競っている。21世紀の世論と政治を動かすインターネット上には、現代政治や政治学のサイトが無数に存在する。

○ 国連ホワイトハウス首相官邸はもちろん、各政党・官庁・運動団体もホームページをもつ。日本政治学会はまだだが、世界政治学会アメリカ政治学会ヨーロッパ政治学会 は、市民に公開されている。

○ こうしたインターネット上での政治情報の交通整理に便利なのは、「政治リンク 」。「日本」「世界」「時事」「学問」などカテゴリー別に重要サイトがリンクされ、クリック一つでつながる。

○ たとえば選挙情報なら、レイプハルト教授の「世界の選挙」データベース 。日本の国政選挙も選挙区毎の歴史的データがとれる。アジアや中南米の選挙結果も、ここでは詳細にフォローされている。

○ 日本では東大田中明彦教授の「世界と日本」データベース 。「20世紀年表」「戦後日本政治・外交データベース」「アジア・太平洋諸国の対外政策」を含み、奥深い研究の出発点となる。

○ もっとも本誌の読者なら、当面の政局・政策情報もほしいだろう。政党支持率内閣支持率なら日経新聞、世論調査結果なら総理府、国会議員名鑑なら政治広報センターで、最新情報を入手できる。

○ しかし政治は、永田町だけでは動かない。市民運動はインターネットで大きく飛躍した。富山大学筒井研究室「NGOリンク」『週刊金曜日』市民運動案内板東京万華鏡「市民のひろば」 が格好の入口。

○ ネット上では個人も政治に発言できる。バーチャル政党「電脳突破党」・ 「市民のための丸山真男ホームページ」・ 宮地健一の「共産党・社会主義」・ 千田善「ユーゴスラヴィア情報」などが個性的。

○ 政治学者も発信し始めた。関西学院大学富田宏治法政大学五十嵐仁教授らは、時局に積極的に発言している。私の「加藤哲郎研究室」は、以上のすべてにリンクしているので、一度ぜひどうぞ。



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