★ これはひょっとすると、恐ろしい物語、マックとの離縁のきっかけになるかもしれません。以下は、同時進行で更新していきます。
 

インターネットで消費者運動──Apple Power Book G3修理・G4購入顛末記(9月から第二幕?)

 

加藤哲郎(katote@ff.iij4u.or.jp)


2001/1/23 <症状発生> 

(1) 近々旅行のため、携帯電話とのカード接続を試み、まだ慣れないソニー・ヴァイオノートでのWindows2000接続を確認したうえ、愛用モバイルノートPower Book G3 でマックとの接続をチェックしましたが、本体の電源が入らずで、立ち上がらず。AC電源で両サイドにフロッピー・CDを入れてあったので、これをバッテリーにさしかえたところ、なぜか起動できた。

(2) ところが、バッテリー起動して電源コードがつながっても、バッテリー充電が始まらないため、AC電源が通じていないことが判明。コードを強くPB本体に押し込んだところ、ようやくバッテリー充電に入り、本体と電源コードとの接続に不具合があることがわかる。本体側コード差込口がグラグラしていて、手を離すとつながらない状態。結局バッテリーの充電もできず、あきらめる。


1/24 <修理依頼>

(3) もともとこのPBG3は、公費で98年に購入、メモリ増設・HD交換・OSアップしてきたものだが、メキシコ出張中の液晶画面故障で多摩市の購入店「企画室ゆう(PLUS YU)」経由で修理した(この液晶不良は構造的欠陥の疑い濃厚!)ことがあり、クルマで30分かけてPLUS YUショップに持ち込む。上記症状は電源差込口と基板との接触不良だろうということになったが、保証期間がすぎ、アップルの修理システムが本社の一元管理となったので、急ぐのなら直接アップルに電話した方がよいとのことで、アップルセンター(0070-800-22753-1)を教えられる。「企画室ゆう」に頼んでも同じ窓口で、時間は経由分だけもっとかかるのだという。不便になったものだ。

(4) 早速アップルケアに携帯電話から電話したところ、最初の番号案内までは通じるが、オートプッシュで修理依頼、PB係に入ったところで「大変込み合いますから後ほどおかけください」が5回も続く。腹立たしいがあきらめて、一旦自宅に戻る。この修理窓口ダイヤル一本化は、結果的にアップル・ユーザーとの距離を遠くしている。

(5) 自宅から同じ番号にかけて、3回目にようやくPB係りまで入れたが、今度はBGMつきの「しばらくおまちください」が20分も続き、その間受話器を持ったまま何もできず。ようやくつながって出た女子社員の応対はいい加減(名前もいわず)。しかも修理の方法は、ピックアップ・デリバリー方式のみで、見積もりの上、修理しなくても1万円近い費用がかかる、という。これでは初心者は、はじめからあきらめてしまうだろう。アップル経営戦略上の問題。しばし押し問答の末、3日後土曜日のピックアップを頼んだら、その係りは別だということで、またも1分以上待たされ、たらい回し。改めてすべてを説明し、ピックアップ手続き。このプロセスは録音し、HPを通じてアップル・ユーザーに伝える必要ありと判断、その旨、応対した女子社員(名前を名乗らないのも、サービスとして大問題)にも話す。ピックアップそのものは、代行運送業者とのこと。つまり、この程度の修理で、最低2週間はかかるという話しに驚く。


1/27 <ピックアップ>

(6) 大雪の中、日通ペリカン便がピックアップ。こちらは親切。でも技術的な話はわからず。見積もりが出たらすぐに連絡する、という。


2/3 <見積の連絡こないのでこちらから請求>

(7) 一週間たっても何の連絡もないので、やむなくアップルセンターにこちらから連絡。応対は慇懃だったが、またも驚く無神経ぶり。例によって長い電話待ちの後PB係りに通じたが、最初にきかれたのが受付番号。1月24日の電話では口論になりそんな番号もらわなかったので、日通ペリカン便の受付番号を告げると、「いえ、それではなく当社の番号を」という。「そんなものもらっていない」と押し問答の末、名前と電話番号で照会。

 しばらくたって「お待たせしました、お客様の受付番号はxxxxxxxxです。お客様のPBはサウンドカード不良で5万なにがしかのお見積もりがでております」という。「今週ずっと待っていたが、そんな連絡はなかった」というと、「遅れて申しわけありません」。それにしても、パソコンにとってもっともベーシックな電源接続の不具合をもっぱらユーザーの使い方の問題と考えたらしく、商品の問題としてチェックしたきざしはなし。しかもそのAC電源接続のコストが5万円! 5万円なら中古パソコンも買えるし、周辺機器も整う。でも修理しなくても配送料1万円をとられると、最初の電話できき、海外モバイルには必要なので、やむなくクレジットカードでの支払い手続きをとり、旅行日程を考え「いつできるか」と聞くと、「それは申し上げられません」。カード番号など支払い手段だけは詳しく聞きながら、故障の状態も修理の方法も説明ないのに怒り、ホームページで書くことを述べて詳しい説明を求めると、ようやく「電源接続部分がグラグラして接続不良なのでサウンドカードを取り替える」と、私が故障状態として申告した通りの話で、あきれて詳しい説明と見積もりのファクスでの送付を依頼。「かしこまりました」といいながら、ファクス番号を聞かず。修理期間については「通常お引き取りから10日から2週間ですが……」としか答えない。「いったいいつ見積もりができていたのか」と聞くと、しばらく待たされて、「昨日出まして本日連絡する予定でした」という。本当でしょうか? 最後に「あなたのお名前は」とこちらから聞くと、ようやく「担当の池田です」。はじめて応対者の名前が聞けた。

<AC電源への接続費用金5万円也! 内配送料1万円?>

(8)  この数分後に電話で、「ファクス番号を聞き忘れた」と問いあわせがあり、ファクスで見積書が届く。故障症状「AC差込口がぐらつく」、故障状況「上記故障状況を確認しました」修理内容「Card,Sound」修理費用「右記金額には技術料・配送料を含みます 見積金額¥48,000、消費税¥2,400、総合計¥50,400という、そっけないもの。サウンドカードの型式の記載も、技術料・配送料の内訳もない。もちろん、見積書の日付を見ると、昨日ではなくて本日2月3日、つまりファクス直前につくったもの。これで、「サービス」といえるのだろうか? 別途、アップルのホームページ「Tell US」に以上を送り抗議。

 


2/4 <有田芳生さんのPBも構造的液晶不良、修理3週間の故障発生!>

 全くの偶然ですが、ちょうどわがネチズンカレッジが石堂清倫さん提供写真をトップで掲げたところで、畏友有田芳生さんのHP「今夜もほろ酔い」「私家版 現代の肖像」に石堂さんをとりあげ、ついに本HPのアクセス数に追いつき追い抜きました。それ以上の偶然ですが、毎日更新の有田さんの日記2月2日で、マックのパワーブックの故障に触れ、修理3週間といわれて驚いています。曰く、

 「マックのノートパソコンの液晶画面に不都合が生じたので修理に出した。ところが3週間ぐらいの時間がかかるという。保証期間中なのだけど、そんなに時間がかかるようでサービスといえるんだろうか。消費者に高い買い物をさせておいて、サービスは遅滞。これは改善すべきこと。近くマックの関係者に意見を出そうと思う。」
 
 実はこの有田氏PBの症状、かつて私の愛機PBG3がメキシコで体験した液晶不良と似ているので、早速メールで情報交換、そっくり同じであることが判明しました。私のHPでは、「メキシコ便り」の1999年7月10日の項に出てくる症状です。曰く、
 
「遂にパワーブックがダウン、メール不通・HP更新不能で、ご迷惑をおかけました。
1999.7.10 [Mexico Report No.6]  前回のレポートをアップロードした直後、6月20日に持参した愛機パワーブックG3が使用不能になり、予定した月末のHP更新はもとより、電子メールも送受信できなくなりました。プリントアウトしていなかった講義ノートや、月末送信予定でほぼ完成していた『歴史評論』「インターネットと歴史学」特集号(10月号)原稿も出せなくなり、郵便・電話・ファクスの不便なメキシコで、一切外界からの情報を遮断されました。<……中略……>
 このマックPOWERBOOK G3ディスプレイの症状、企業機密らしいですが、実は構造上の問題のようです。第1回メヒコ・レポートで、パワーブックの液晶画面が乱れ「不安な予感」と報告しましたが、その後も調子が悪く、画面に白い帯が現れ、液晶を指で押さえて調整し、だましだまし使ってきました。途中で症状を日本の購入先にメールで訴えたところ、他にも画面が真っ白になるという苦情があり、日本の工場で修理しなければならない、それまでは他の外付けディスプレイにつなぐしか応急措置はない、というつれない返事。HDのクラッシュではなく、どうやら液晶技術の問題のようです。なんとかコレヒオ・デ・メヒコでの集中講義終了までもってほしかったのですが、とうとう6月20日には画面が真っ白になり、完全使用不能になりました。帰国後、早速業者がひきとりにきて修理にまわりました。PBG3を発売と同時に購入した皆様、ご注意を!」
 
 ところが保証期間中である有田さんの新型PBも、メールで「そうなんです。時間が経過すると、画面の左側全部に黄色い線が出てきて、それが右側に増えていくんです。しかも文字の上にも黄色がにじんできました。それにしても3週間!とは」と返事が来ましたから、私のメキシコでの被害症状と全く同じです。つまり、PB液晶ディスプレイの構造的欠陥を2年たっても直せないでいる疑いが出てきました。うがった見方をすれば、有田さんが「それにしても3週間!とは」と驚いた修理方式の転換も、自動車ならとっくにリコールのこの欠陥を隠すために、販売店に修理させず本社で一括回収・管理するリスク・マネージメントでは、とさえ見えてきます。2年前は、私のPBは保証期間内で、帰国と同時に販売店が引き取り、一週間で無料修理でしたから。

 ともかくこのPB修理問題、私のカレッジと有田さんのファンクラブを加えれば、30万ヒットの巨大読者が読んでいますから、相互に連絡をとりつつ、アップル社の対応に注目したいと思います。これ、マックを愛するが故の苦言消費者情報公開ですから、念のため。


2/10 <修理完了?>

 さらに1週間たったので、再びこちらから問い合わせ。例によって電話で待たされたが、なんとかパワーブック係に到達。今度は受付番号があるのでスムーズ、「お待たせしました。加藤様ですね。修理は完了して火曜日に発送となっております。お支払いはカードにしますか、着払いにしますか」と男の声。「前回カード番号まできかれましたよ」というと「失礼しました、しばらくお待ち下さい」とパソコンをうつ音で、「はい、うけたまわっております、それではカードでお支払いいただき、火曜日に発送します。ありがとうございました」。思わずこちらも「どうも」と切ってしまった。例によって担当者は名を名乗らない。この機械的応答の中に、申し込み時のクレームや先週の抗議が、反映されている気配はない。窓口はマニュアル通りの応対、クレーム係は別、というところか。あまりあっさりしていて、完成しているのになぜ発送は火曜日なのか、修理内容は詳しく報告されるのかは、聞き逃してしまった。とにかく完成品を待ってみよう。まさかHDが破壊されているようなことはないでしょうね。


2/14 <着かない!>

 火曜日発送ということでしたから、当然水曜日中に着くはずだと思って、15日更新のトップに納品書のスキャン画像と修理後の使い勝手の報告をするつもりでしたが、なんと、本当に発送したのかどうか、肝心のPBが到着しません。入試真っ最中で自宅不在時間もありましたが、ペリカン便の不在配送届けもありません。帰宅が午後7時をすぎていたので、もはやアップルに電話も通じません。そういえば電子メールでの連絡は、返事のない苦情受け付け窓口だけで、なぜかアップル社とは、双方向では交信できないしくみ。マックのサービス、一体どうなってるんでしょう!


2/15 <ようやく届いたが、火曜日発送はウソだった!>

 木曜午前中も着かないので、不信に思い問い合わせ。例によって電話は10分以上待たされる。アタマにきたところでつながったら、例によって受付番号等々の儀式。1分以上待たされての返事が、なんと「昨日発送しました」。先週問い合わせたら火曜日といっていたのに、なんとウソだったのです! 「あとは日通の問題ですから」と弁明するが、とにかく至急こちらに配達時刻を連絡するよう怒鳴ってガチャン。はたして連絡はあるでしょうか?

 午後1時すぎ、アップルから電話がかかってきて、すぐ配送するとのこと。しばらく待っていると、日通の人の良さそうなおじさんが、箱入りPBを運んできた。開けると以下の「修理記録表」、見ればわかるように、今度は(ようやく請求してファクスさせた見積書ともちがって)費用内訳なしで、\50,400なり。請求書・領収書はなしですが、これでカードから自動引き落としになるんでしょうか? 新たな不安。

 故障理由は「サウンドカード不良の為、交換いたしました」だけで、見積書と同じく、ユーザー責任で処理されたようです。交換部品番号661-2068とはありますが、およそユーザーがわかるような言葉ではありません。そして「発送日は2月14日」、つまり2月10日の問い合わせに対する納品期日はウソだったことが、はっきりわかります。

 立ち上げてみると、ハードディスクは無事でした。電源が通じただけですから、当たり前なことですが、こんなことでホッとしなければならないほど不安な修理でした。それにしても、腹立たしいことの数々で、公開質問状でも作って改めてマックに抗議したい気分。


2/20 <すごい反響に驚いてます、対面修理復活署名に加わりましょう!>

 15日にトップページで「ユーザー・サービスを忘れたマック」を書いたところ、すごい反響です。それも、実は自分もこんなひどい応対を受けた、電話相談だけで3千円とられた、自分の液晶不良のケースと似ている、電源接続故障はPBだけでなく最新のCubeを含むマックのアキレス腱だ、といった受難の体験談が多いのです。きわめつけは、PB液晶不良で修理中の有田芳生さんが「今夜もほろ酔い」HP2月16日に私のこのページと一緒に紹介している「PB2400と心中するしかない会」の進めている「Power Bookの対面修理体制の復活を!」求める署名運動、351名の署名が入ってますが、その切実な訴えのほとんどが、私や有田さんと共通の問題に直面してマックのサービス不在を嘆く体験談入り。ざっと数えても、私と同じ電源接続不良が5件ほど、有田さんと同じ液晶不良が10件近くあります。そして、本HPで告発している修理期間の長さ、連絡サービスの悪さ、電話応対のいい加減さへの怒りは数知れず。ここに集まっているのは、相当マニアックな熱烈マックファンらしく、「可愛さ余って憎さ百倍」風の声が多いですから、泣き寝入りしているユーザーは、この何百倍もいるだろうと想定できます。アップル社は、私や有田さんを含む何万人もの長期マック・ユーザーを自らの経営の失敗で失おうとしていることに、気がつかないのでしょうか? 

 正直にいいましょう。私もソニーのヴァイオノートに、半分乗り換えました。昨日までの信州でのゼミ卒業合宿に、子どもに使わせていたヴァイオノートを持参し、心ならずもマックの悪口を、今春社会に出る学生たちにまで言ってしまいました。今夏購入予定の次の機種も、PBG4にするかヴァイオの最新型にするか迷っていましたが、ヴァイオの方に傾いています。私も公開質問状を出そうと思っていましたが、「PB2400と心中するしかない会」の皆さんが2月16日に直接アップルケア本部を訪れ、「アップル社への要望書」を手渡し、2月末までに返答してくるそうですので、私も「Power Bookの対面修理体制の復活を!」求める署名に加わって、アップル社の出方を見守ることにしました。マックを愛し、それゆえに裏切られ、怒っている皆さん、署名に加わりましょう!


3/3 <対面修理復活署名は500名を突破! アップルの回答は如何に?>

 「PB2400と心中するしかない会」「Power Bookの対面修理体制の復活を!」求める署名は、あっという間に500名を突破したそうです。第362号署名者としては、わが意を得たりです。この同時進行ページから入って署名してくれた人がいたとすれば、ますます本望ですから、一応PBG3は戻って快適に動き始めましたが、もう少し実況中継を続けましょう。英文「Mac Central Online 」にDennis Sellersさんが"Japanese users of Apple portables face problems"と取り上げたのが効いたのか、「PB2400と心中するしかない会」の新宿の父@小林さんのもとに、アップル社から2月16日「要望書」への返事があり、「社内で討議にかけているので時間を今少しいただきたい」と返事があったとか。もっとも2月末が回答期限でしたから、当然ですが。とにかくユーザーの熱意で、多少は状況が動き始めました。対面修理復活署名を、さらに集中しましょう! これってなんか、「森降ろし」に似てますね。


3/9 <ユーザー運動の勝利、ついにアップルは4月から対面修理を復活へ!>

本日、「PB2400と心中するしかない会」の新宿の父@小林さんから、速報メールをいただきました。急速に増えて、いまや570人に達した「Power Bookの対面修理体制の復活を!」求める署名に応えるかたちで、アップル社は、4月からPBの対面修理サービスを再開するそうです。英語の「Mac Central Online 」に続いて、 「Go2Mac」にも "Apple Changes Service Policy in Japan"として取り上げられたのが効いたのか、昨晩小林さんのところに、「ノート型に限って」ですが、4月以降対面修理サービスを整理していくと回答してきたとのことです。すでに3月9日付けMac Wireには以下のニュースが掲載されましたから、後戻りはできないでしょう。小林さんがいうように、「山が動いた」のです。「ユーザーからの反響や期待」が、「山」を動かしたのです。これで、私も、この同時進行ルポを続けてきた甲斐がありました。デスクトップの除外、電話応対や部品価格など、まだまだ問題はありますが、ちょっぴりPower Book G4を買おうかという気がしてきました。このページはひとまず大団円ですが、ネチズン運動が成果を挙げた貴重な経験ですので、わがネチズン・カレッジでは「情報学研究」の専門課程「情報応用学」に「インターネットと消費者運動」として入れて、記録として残そうと思います。この間の皆さんのご支援に、心から感謝いたします。ありがとうございました。

●アップルの製品修理サービスが拡充 - 対面修理を新規スタート(Mac Wire,3/9)●

 
 アップルコンピュータ広報部は公式コメントとして,昨年終了していたPowerBookの対面修理に関連して,4月以降順次,新たに対面修理ネットワークを構築していく,と語った。このような方針に至った主な要因として,同社広報部は,昨年サービスが終了した後で,ユーザーからの反響や期待が大きかったことを理由に挙げている。
 
 会社全体の基本方針としては,ピックアップ&デリバリー修理サービスや,在宅自己交換修理 (Customer-Installable Parts) サービスを中心として,修理サービスを構築していくことに変更はないが,モバイル製品という性格に鑑みて,PowerBookだけでなく,他のモバイル製品についても統合されたサービスを準備しているとのこと。つまり,これまで対面修理の対象外であったiBookも利用可能になるということだ。
 詳細はまだ発表段階にはないが,近日中にユーザーにアナウンスがされる模様だ。

3/28 <「G4ノート、どうする?」──ユーザーがチェックしなければ、マックは立ち直れない!>

 有田芳生さんの「今夜もほろ酔い」HPが、3月27日にまた書いています。

こうやってパワーブックG3で原稿を書いていてアップルへの不信感がわいてくる。液晶画面の左側に黄色い線が約5ミリほど出てくること左側に黄色い線が約5ミリほど出てくること、文字のうえにも同じような現象が起きるからと修理に出したところ「問題なし」との返事。手元に戻ってくるまでに3週間以上の時間。ところがいまも同じ現象が起きている。このあいだの返答は、1日に20時間つけっぱなし!しかも8日間だという。8日間の調査でどうして3週間もという疑問はいい。それでも異常はなかったという疑問。嘘だと確信する。私のところに戻ってきてから「黄色」出現は日常。今朝もいまも。いやずっと。これでは保証期間中に液晶画面を変えたくないのではないか、とも思ってしまう。サービスの駄目な会社となれば、いずれ愛着を持つユーザーからも見放されるのではないか。まあ、それでも仕方なしか。ひどいもんだ。
 
 先日、山川曉夫=川端治さんの一周忌で、久方ぶりで、有田さんとネットを介さず再会。その最初の話が、「やあ久しぶり、G4ノート、どうする?」。会の模様は、有田さんが3月24日の日記に書いてますが、宮崎学さんが私たちの間に割り込んで、野中広務の落選運動として衆議院選挙に自ら立候補する決意を表明したりして、けっこう面白かったのですが、実は私たちは、二人とも「Power Bookの対面修理体制の復活を!」求める署名に加わっています。個人HP上で、3週間以上かかったピックアップ&デリバリー修理サービスに、大きな不満を公然と書いてきました。「G4ノート、どうする?」の先が、ちょっと分かれました。私の方は電源不良で一応直ったので、「うん、やっぱりヴァイオノートより使いやすいなあ」と、4月からの対面修理復活にちょっぴり期待、しかし有田さんのG3ノートは、保証期間内液晶画面無償交換をきらわれたためか、8日間つけっぱなしで症状はおきなかった、とそのまま返却されたというのです。しかもそのチェックのため3週間はマック不在! それで話は Windows買い換えの場合の品定めの方に移って、ソニーやIBMやNECのサービス情報交換。どうやらマックは、偉大な「広告塔」(失礼!)有田さんにも見放されたようです。600通をこえた「PB2400と心中するしかない会」の著名報告、まもなく百通に達する「対面修理体制への要望」意見をみても、「対面修理」復活への期待は、無論、価格や代替レンタルや電話サービスの問題もありますが、直接ユーザーが症状を訴え、その場で診断してもらえる事への安心感、逆にいえば、ピックアップ&デリバリー修理への技術的・企業的不信感に根ざしていることがわかります。有名人の有田さん(またまた失礼!)でも3週間かかったということは、「抜け駆け」風ユーザー差別がされていない証明にはなりますが、これも逆読みすれば、アップル・ジャパン社の抜き差しならぬ鈍感さ、ユーザー不在を示すともいえます。「G4ノート、どうする?」の結論は先送りになりました。やっぱり4月以降のマックの具体的対応と、「安心・安全」の証しが出てからにしようと思います。まだまだ監視が必要です。


5/5 <やっぱりG4をさわってみたら、買いたくなったけど……>

 この間、新学期や台湾旅行やカレッジ客員教授の逝去やらでしばらく遠ざかり、台湾では直したばかりのPB・G3もちゃんと活躍してくれたので、この欄もさぼってきましたが、ようやくアップルの対面修理が4月30日から東京・大阪3か所に限って再開されたようです。そこで、連休に久しぶりでパソコン店まわり。マック駅では新型iBookばかり宣伝してますが(アップル・ジャパンの戦略?)、まよわずPB・G4のコーナーに向かってチタンにさわり、重さを確かめ、エアーマックがケーブルTVともつながるかどうかもチェックして、やはりほしいなあ、と思ったりしました。

 でも、この間のいきさつで、なおも二つのこだわりというか懸念。一つは、私が台湾出張中のできごと。有田芳生さんが、「今夜もほろ酔い」4月17日に書いています。

4月17日(火) ……パワーブックG3の液晶画面がおかしくなって修理に出したものの「問題なし」で帰ってきたこと、ところが同じ現象が起きることも以前に書いた。現象とは画面左側に黄色い帯が発生し、時間の経過とともに文字の上にも黄色い帯が重なるというもの。そこで「ザ・ワイド」のプロデューサー結城豊弘さんに話をすると、すぐに日本のアップル原田社長に連絡してくださった(結城さんは『MAC FAN』の執筆者でもある)。そこから部長を通して故障担当に。先週ご丁寧なメールをいただいた。そして13日に自宅に引き取りに来てくれたという経過があった。
 機敏な対応。しかし私が「あれっ」といぶかしんだのはその前日12日に自宅にかかってきた女性の電話。サービスセンターだという相手は、機械のような対応でただマニュアルを伝えているだけ。人間的感情をいささかも感じさせない対応に驚いたものだ。そして13日に宅配便に引き取っていただいたものの音沙汰もなし。どういう具合なのか、修理の目処はついたのか、いつ手元に帰ってくるのか……。そこで今日の「ザ・ワイド」の前に結城さんに愚痴を伝えたところ、先方に伝えてくれたのだろう。今晩、ある担当者から電話をいただいた。私は驚いた。「何も問題はありません」というのだ。前回パワーブックを修理に出したビックカメラはアップルから「1日20時間電源をつけっぱなしで8日間。それでも異常なし」という返事をもらっている。ところが今回わかったことは「8時間つけていたけど異常なし」。全然違う。そもそもどんな点検したのか。不信をいだかせるものだった。
 とみに進行する異常があるから訴えているのに同じ経過。相手は言った。「異常はないけれど、念のために手は打っておきました」と。どうしたのかといえば液晶画面を変えたという。いったい何だというのか。「故障などない」しかし「液晶は換えました」という措置。この液晶の不具合はこれまでにもあちこちで問題になってきたこと。話を聞けば、今回も電源を入れて異常が起きるかどうかを見ていただけのよう。前回と同じ。インターネットなどをやっていて起きている異常を「静止」状態で判断しているだけのお役所仕事。やれやれだ。しかも「明日届きますから」。ビックカメラでも他の業者でもそうだが、相手の都合を聞いて宅配便の手続きを取る場合が多いのに、ここでも一方的。
 私は思う。アップルがすぐれた会社であることは否定はしない。しかし、この間の対応を見てきただけでも 深い問題を抱えていること、具体的に言えば課題を掘り下げてとことん対応しようという意欲がないのだとつくづくわかった。今回はトップからの指示という特別な場面。それにしてこの処置なのだから。暗雲が厚く覆っていることに変わりはない。いつまでも「少数派」でいたいと思っているものの、あえて書いた次第だ。
 
 やっぱりというべきか、原田社長経由でも、このていたらく。基本的なユーザーへの態度と、メインテナンスの精神が、アップル社には欠けているようです。
 

 もう一つ気になったのは、マック駅での販売店員の言葉。パワーブックG4をいじりながら、あれこれ質問したのに親切に答えてくれた店員さん、いかにもマック好きのメカに強そうな青年だったが、最後にPBG4のカタログをくれといったら、申し訳なさそうに出してきたのが、手札版のイメージちらしでした。「アップルは、ホームページで見てくれということで、これしかないんですよ」と、販売店としても不満顔。もちろんこちらは、ホームページは見ている。それを手触りで確かめたくて、販売店に行った。そして店員は、熱心に詳しく説明してくれた。しかし、他社の立派なカタログのそばで、アップル社だけは、ホームページのトップに出てくる程度のチラシ。そして案の定、アフターサービスとメインテナンスの件を聞くと、蚊の鳴くような声で、「ええ、私たちじゃ直せないんですよ。」明らかにこの青年は、自分で直す技術力を持っているのだが、アップル社の方針で、勝手に直してはいけないとされている様子。部品供給を止められ、全国に何千人かはいるだろうマックに強いこうした青年が技術サービスの直接供給をストップさせられている模様。アイマック発売時のアップル社と販売店の衝突は語り草になっているが、PB・G4ー500MHzが、どのショップにいってもまだ39万8000円なのも、アップル・ジャパンの殿様商売なのだろう。デフレ模様の日本経済の中で、価格維持でステータスを保つということだろうが、これで、ますます少数派になるのは目に見えているのに。ヴァイオ2台買える値段でなおマックPB・G4にこだわるべきか否か、ここが思案のしどころです。


7/10  <またしても電源! アップル社のG3電源アダプター・リコール>

早まったかもしれません。あれこれ迷ったあげく、やっぱりあのチタンの手触りと使い勝手の誘惑に負けて、パワーブックG4-500を注文しました。その途端に、晴天の霹靂、パワーブックG3の電源アダプターのリコールです。アップル社HPによると、以下のような過熱発火のおそれがある、というのです。
 
アップルは、米国Consumer Product Safety Commission(以下、CPSC)との協力のもと、1998年5月から2000年3月までの期間に工場出荷された旧型PowerBook G3に付属して販売された電源アダプタを自主的に回収いたします。現在販売されているチタニウム製のPowerBook G4およびiBookの電源アダプタについては、今回の回収対象ではありません。これらの電源アダプタは、過熱し発火する可能性があることが判明しました。アップルは、これまで6件の電源アダプタの過熱について報告を受けていますが、人体に危害のおよぶ事故は報告されておりません。
 

 ここまで読まれた方なら、ご存じでしょう。私のこの「修理顛末記」の発端も、電源でした。液晶不良と共に、マックで最も苦情の集中している箇所です。しかし、今回のリコールは、私が5万円支払った、電源差し込み部分の接続不良ではありません。バッテリー充電のために不可欠なアダプタ自体が、発熱発火のおそれはある、というのです。おそろしいことです。

 

 そのわりには、アップル社HPでは、トップに出てきませんし、ユーザーへの連絡は、不徹底です。登録ユーザーに直接送られるメーリングリスト「アップルからのお知らせ」にも、まだ未掲載です。小さな新聞報道で気がついた私は、なんとか無料交換の手続きをとりましたが、登録ユーザーでさえ、気がつかなかった人は多いでしょう。そんな人が使い続けて、火事に出もなったら……、想像するだけで、おそろしいことです。新型アイブックに、宣伝費をつぎこんでいる時ではありません。因果関係はアップル自身が認めているのですから、莫大な損害賠償をくらって、倒産のおそれさえでてきます。そして、製造会社を失ったユーザーが、倒産後に故障をみつけたら、もういかんともしがたくなります。真夏の夜の悪夢となりそうです。


9/28 <G4を買ったけど、またしても大いなる疑問?!>

 夏休み前の7月末に、けっきょく40万円近いG4(500)を購入しました。あのチタンの手触りに勝てなかったのです。夏の世界一周旅行に早速持参しました。快適でした。アメリカで買ったDVDソフトもしっかり動きます。今のところ電源コネクターの異常もありません。

 でも、アップル社の問題として、二つほど疑問を感じました。購入申し込みの時は気がつかなかったのですが、納入した業者によると、ちょうどキャンペーン中で、FireWireのCDーRWが無料でもらえるというのです。ただし購入店印付きで申し込まねばなりません。煩わしい申込書を書き、それでもちょっと得した気分で海外旅行に出て、9月に帰国しアップルHPを覗いてビックリ、なんと8月27日から本体を4万円値下げしたというのです。CDーRWならもともと持っていましたから、一月待って価格を下げてもらった方がはるかによかったので、FireWireCDーRWキャンペーンは、どうやら値下げ前の目くらましで、騙された、と感じました。ユーザーを馬鹿にするのもいい加減にしろ、です。

 そのうえ7月に申し込んだのに、サービスのFireWireCDーRWは、いっこうに届きません。韓国から帰国した9月中旬に、ようやく送られてきました。なぜか同じものが、二つも入ってます。そのうえOSは購入時の9.0では動かず、アップグレードしなければなりません。デスクトップでも使えという意味かと、2台目も開けて、性能はすでに持っているロジテックのスカジーCDーRWの方が使いやすいのを確認し、放っておきました。そこへ奇妙な手紙が舞い込みました。なんと、事務の手違いで誤って2台送ってしまったから、1台を送り返してくれ、というのです。さすがに着払い宅急便伝票は入ってますが、納得できません。こんなことなら、4万円値下げ分をアップルケア・サービス券ででも返金してもらった方が、はるかに良かったのです。とりあえず放っておいて、ちゃんと連絡して謝ってきたら、この間のだまし討ち商法と、杜撰な事務の問題を、問いただすことにしました。第二幕の幕開けかもしれません。


  

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